「一つの中国」は便宜的でしかない。無理が通れば道理が引っ込む

<トランプ次期米大統領は11日放送のFOXテレビの番組で、米国が「一つの中国」原則を維持していくかは、中国の貿易や外交政策次第だと述べた。

 トランプ氏と台湾の蔡英文総統との電話会談後、ペンス次期米副大統領は米国の中台政策に変更はないと述べていたが、これと異なっており、中国側の反発を招く可能性がある。

 トランプ氏は「貿易関係などで合意が得られなければ、なぜ『一つの中国』に縛られないといけないのか」と疑問を呈し、中国の為替政策や南シナ海問題、対北朝鮮政策で対応を求める考えを示した。

 また、台湾総統との電話会談に関しては「1、2時間前に聞かされた」と述べ、事前に準備されていたとの見方を否定。「会話は短時間で、お祝いを受けた。電話を取らないのは失礼だ」と強調した>(以上「時事通信」より引用)

  トランプ氏と台湾の蔡英文総統との電話会談をしたことにより中国が「一つの中国」を受け容れてきた米国の外交姿勢を変えるのかと抗議したという。それに対して、トランプ氏は中国の態度次第だ、と応じるようだ。
 しかし、これもおかしい。中国が為替操作を行うまいと、南シナ海を軍事支配しようと、そうしたことが中国と台湾のありようと関係はない。台湾を「一つの中国」とみなそうとどうであろうと、台湾は台湾として「一つの中国」なのかは国家か否かの「要件」で客観的に判断すべきだ。

 改めて指摘するまでもなく、国家としての三要件は軍事統帥権と課税徴収権と関税自主権を具備した自治体かどうかだ。その要件から見る限り台湾は独立国家だ。
 中国が「一つの中国」を主張して台湾も中国の領土だ、と勝手に思い込むのは自由だが、それを他国に強要するのは滑稽というしかない。実態は台湾は中国の支配下にあるとはいえず、台湾を統治しているのは台湾政府だ。

 国連は当初国民党政府を中国としていたが、国内戦争で中共軍が勝利して国民党軍を台湾に追放すると中共政府を国連加盟国として認定し、国民党の中国を国連加盟国から削除した。そうした国連のありようが「軍事至上主義」を世界に植え付けてしまった。
 いや、そもそも国連は第二次世界大戦の「戦勝国」クラブとして設置された軍事至上主義の国際機関だ。第二次世界大戦の終戦時は存在していなかった中共政府の中国を国連に迎え入れて国民党政府を国連から追放した国連とはなんだろうか。空想の想定として、日本がロシアを軍事侵攻して占領したら、ロシアは国連から追放されて日本が国連の常任理事国になる、ということではないだろうか。

 世界史を見る限り、民族を超えて膨張した帝国は必ず終焉を迎えて瓦解している。ローマがそうであり元がそうであった。現代の他民族を切り従える帝国は中国とロシアだ。
 ロシアはソ連崩壊時に独立した周辺民族国家を再び切り従えようと策動しているが、そうした国家は必ず崩壊し自滅する歴史にあることをソ連崩壊という体験を通してさえ学習しなかったようだ。

 中国は中国の民族土地を介して数千年も繰り返された歴史に学んでいない。漢民族は漢民族の暮らす土地範囲内だけの国家を建国すべきだ。万里の長城以北の東北部は東北部の少数民族が乱立する「自治共和国」として国家を形成すべきだ。そして当然のことながらチベットやウィグル新疆地区はそれぞれ別の国家として独立すべきだ。
 そうした本来あるべき民族国家を中共は軍事侵略して版図に組み込んでしまった。そして台湾までもいつの日にか版図に組み込もうと狙っている。その路線の正当性を世界に認知させる呪文が「一つの中国」だ。

 無理が通れば道理が引っ込む、という言葉が日本にはある。「一つの中国」という無理を通せば中共政府の中国の軍事帝国主義が逆に炙り出され、中共政府の中国の国家存立の無軌道ぶりが露わになるだけだ。
 他民族を抑圧して版図を拡大して巨大帝国国家を形成したとしても、それはうたかたの夢でしかない。必ず崩壊する運命にあることは歴史が証明している。戦勝国クラブが認知したとしても、中共政府の中国は出生らして軍事帝国でしかない。そうした国とマトモな外交が出来ると信じている人がいるとすれば愚かだというしかない。


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