国民はTPPに賛成した「売国」政治家たちを決して忘れてはならない。

<環太平洋連携協定(TPP)は、九日の参院本会議で与党と日本維新の会などの賛成多数で可決、承認された。関連法も成立した。TPPの発効には、交渉参加十二カ国のうち経済規模が大きい日米両国の承認が必要だが、米国のトランプ次期大統領が就任直後の脱退を表明し、発効の可能性が事実上消滅している中での承認となった。トランプ氏はTPPで国内の産業が不利益をこうむるとして、代わりに二国間交渉に軸足を移す考えを示している。
 参院本会議の採決では、民進、共産、自由、社民四党が反対。日本のこころを大切にする党は賛成した。
 通常国会から始まった審議では、交渉過程の情報開示を巡り、政府の後ろ向きな姿勢が問題となった。また、農業や食の安全など幅広い分野で懸念が示されたが、議論は深まらなかった。発効の可能性が事実上ないにもかかわらず、政府・与党は国民に十分な説明をしないまま承認を急いだ。
 九日の参院本会議に先立ち、安倍晋三首相は参院TPP特別委員会で「発効が不透明になっても、公正な経済圏を作るという戦略的な意義を世界に発信する」と承認の意義を強調した>(以上「東京新聞」より引用)

 安倍自公政権の「隷米ポチ」ぶりを如実に示すTPP国会承認だ。安倍氏はオバマ氏との約束を忠実に果たす忠犬ぶりを米国政府に示したが、皮肉なことに米国は大統領選でオバマ氏の1%支配の系譜に連なるヒラリー氏が大統領選で敗れ、反・グローバル化のトランプ氏が当選した。
 世界は大きくパラダイム転換して、欧米諸国がグローバル化から「国民の生活が第一」の政治へと転換しているにも拘らず、安倍自公政権とその仲間たちは未だにグローバル化へつ周回遅れの路線を突っ走っている。日本独自の良さを忘れたグローバル・スタンダード第一主義の連中は、経済同様観光までも「カジノ」ありきという悪しきグローバルスタンダードを持ち込もうとしている。

 カジノも備えた大規模施設を建設すれば大勢の集客が出来る、というのも一昔前の発想だ。散々年金基金を乱費したグリーンピアで懲りたかと思ったが、彼らの頭の中は戦艦大和ならぬ大砲巨艦主義が棲みついているようだ。
 経済で世界を股にかけて投資や投機で安易に巨万の富を手にする連中は国境をなくし、各国の制度を均一化する方が働きやすい。できれば移民も無制限に自由にして、言語や労働賃金も何もかもすべて世界が均一化する方が望ましい。

 しかし、それぞれの国にはそれぞれの歴史や文化や慣習がある。多くの国民は国境を越えて投機や投資をする機会を生涯一度も持たない。もちろん親から自然と教わった言語を操り、自然と身に着いた文化や慣習に従って暮らす。それが普通の国民のあり方だ。
 だがグローバル化を目指す一握りの連中にとって各国の風俗や文化などはどうでも良い。そこの国民が生きようが死のうが、彼らは経済の一指標に過ぎない。個性などない方が良い。それがグローバル化の社会の在り様だ。TPPはそうした社会を目指している。

 自由貿易で日本は高度経済成長した、と安倍氏が叫ぶのは嘘だ。彼は平然と大嘘を吐いている。1ドル360円の固定相場と関税で日本国内産業を守り輸出のエンジンとしたのが高度経済成長の大きな要因だ。
 それに対して米国は円の切り下げや関税率の引き下げで日本の経済成長にブレーキを掛けた。そうした烈しい鬩ぎあいをしていた当時、大学生だった安倍氏は日本や米国で何を学んだのだろうか。

 戦前の世界も帝国主義というグローバル・スタンダードの世界だった。欧米列強は帝国主義と対をなす植民地主義により世界を支配していた。そうした欧米列強のグローバル・スタンダードにあがらったのが有色人種で唯一独立国家を維持していた日本だった。戦前の日本は植民地支配という欧米列強のグローバル・スタンダードに対して「併合」という異端を実施していた。
 そうした戦前の歴史も知らないで、戦前の日本を一面からだけ見て回帰したいと願う右翼たちには反吐が出る。白人至上主義に対峙して「大東亜共栄圏」を提唱した戦前日本の気概が安倍氏にあるだろうか。米国の忠犬ポチになった安倍氏はトランプ氏の当選にウロウロ、キョロキョロしているだけではないか。

 TPP国会承認という米国の1%に対する忠犬ポチのアリバイ工作を果たして、去り行くオバマ氏への餞別代りにハワイのアリゾナ記念館を訪問するという。安倍氏のポチぶりには日本国民として情けなくて涙が出る。
 トランプ氏は商売人として容赦ない日米二国間貿易協定FTAを締結しようと仕掛けて来るだろう。その時の交渉の最低ラインはこの度国会承認したTPPになるのは自明の理だ。米韓FTAを引き合いに出すまでもなく、日米FTAは何としてでも阻止しなければならない。

 しかしトランプ氏相手に交渉するのに安倍氏では役に立たない。トランプ氏の米国と渡り合う役者として、小沢一郎氏の登場を願うしかない。


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