登記簿謄本の「死人名義」を一掃せよ。

 地方に暮らしていると廃屋の処分や土地の処分を依頼されることがしばしばある。この年末に久々に都市から帰省した友人が廃屋になっている親戚の屋敷の処分に頭を悩ましているという。
 土地などの登記は終戦直後に亡くなった祖父のままで、既に六十年以上も経過して相続人は彼も含めて全国に散らばり処分できない状態になっているという。固定資産税は何の因果か彼が負担しているが、彼の死後は倅たちに相続放棄するように言っているという。

 土地や家屋の登記の名義人が亡くなったまま放置されていることは田舎では珍しいことではない。亡くなって半年以内に相続協議書を作って登記するという面倒なことは誰もしたくないし、話を言い出せば角が立つと思って言い出せないまま歳月が経過してしまう、というケースが多いようだ。
 しかも田舎の土地や家屋は「資産」でない場合が多い。むしろ家屋は「負債」ですらある。田舎の母屋や納屋を解体処分して更地にしたとしても、土地を売却できたとしてもその費用を捻出するのは困難だ。むしろ更地にしたまま売れないことを覚悟しなければならない。そうすると二百万円近くかかる費用を誰が負担するのか、という問題が起こる。

 全国の家屋の16%が無住だという。人が棲まなくなった家屋は痛みも早く、たちまち白アリの巣になってしまう。放置していれば行政が何とかするだろう、というのではなく、登記法を改正して死亡人に登記名義を放置している相続人は罰せられるとすべきだ。第三者対抗要件たる登記人が死者では意味を持たない。法務局は登記事項が適正であるように督励すべきで、登記簿謄本に記された所有者が死者の場合は速やかに登記変更すべきだ。

 放置されたままの莫大な死者所有の土地や家屋をいかに整理するつもりなのか、それとも整理しないで法務局は登記法が形骸化するのを手を拱いて傍観するだけなのか。
 国家の基本をなす土地・家屋の所有者を特定する登記が用をなさない事態を政治家諸氏はいかに考えるのだろうか。


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