2017年こそ「国民の生活が第一」の政治に回帰すべきだ。

<「オバマ政権がこのような形で仕事を終えることを残念に思う」。米国の対露制裁について、プーチン露大統領は30日、声明で淡々と言及した。露側としては報復措置をあえて実施せず、対露関係改善に積極的なトランプ次期大統領の今後の対応を注視したい考えとみられる。

 ペスコフ露大統領報道官は29日、露メディアに対し今回の制裁を「事実無根で国際法違反だ」と非難し、(1)米露関係の決定的な阻害(2)トランプ次期政権の外交プランへの打撃--という二つの目的があると強調した。

 2012年に発足した第2次プーチン政権とオバマ政権の関係は当初から良好ではなかった。オバマ氏は同性愛者を巡る人権状況を主な理由に14年2月の露南部ソチでの冬季五輪開会式に参加せず、五輪終盤に起きたウクライナ危機で対立は決定的となった。

 米大統領選を狙ったサイバー攻撃も、長引く米露対立が背景にあるとみられる。ロシアは、ジョージア(グルジア)やウクライナなどの旧ソ連諸国で起きた政変の黒幕を米国政府とみなし、繰り返し非難してきた。米国に影響圏を侵食されてきたとし、米大統領選で反転攻勢に出た形だ。トランプ氏の当選後は、新政権発足後に米露関係を仕切り直そうとのプーチン政権の姿勢が明白になっている>(以上「毎日新聞」より引用)

 先の大戦以後、世界はロシア(旧ソ連)と米国の対立関係で推移してきた。それぞれが陣営を形成して、あたかもガキの「陣取り合戦」の遊びのような権謀術数を繰り返してきた。
 時には「代理戦争」に巻き込まれて、米ロとは全く関係のない地域の人たちが戦争に巻き込まれて多数の命を失ってきた。イデオロギーの対立の時代だと政治学者や歴史家たちは評すが、それは実態を「現象的」に見ているに過ぎない。

 先の大戦以後の世界構造を実質的に支配してきたのは1%の人たちの既得権の拡大と最大利益の実現を求める争いだった。ロシアは貧弱なGDPの大半を宇宙開発と武器開発および軍事力に注いできた。「国民の生活が第一」などとは程遠い政治を戦後一貫して行ってきた。
 米国も「人権外交」だ「民主主義」だと大きな顔をしているが、公民権運動のキング牧師が暗殺されたのは1960年代のことだ。日本で東京オリンピックがあった頃まで、米国は激しい人種差別の国だった。当時の米国で黒人たちの人権を抑圧していたのは米国の白人たちだった。

 そうした歪な国が存立してきたのは実質的に「軍産共同体」の資金力だった。ロシアは現在も実質的にロシアマフィアが支配する国だ。米国はトランプ氏に敗れたが、1%の「軍産共同体」を仕切る人たちとウォール街のエスタブリッシュたちが支配してきた。
 軍事力は絶えず実践で訓練しなければ自国にとっても危険な暴力装置と化す恐れがある。そして軍備は製造したその日から劣化するため、効率的に新旧代謝するためには戦争で消耗するか、産業廃棄物として廃棄するかしかない。そのために米国は一定周期で戦争を世界各地で展開してきたといえるだろう。

 結局、軍事装備品は人を殺傷する。戦車であれ艦船であれ、製造した物はいつかは耐用年数を過ぎてスクラップとなる。それは核兵器も同じだ。核弾頭も製造されたその日から劣化し始める。大量の核弾頭を保有する米国は劣化した核兵器のウランの再利用として「劣化ウラン弾」を製造し、廃棄場所として中東で戦争を起こして中東の人たちを「戦争」という名目で殺傷し大量処分した。
 そうした事情は大量の核弾頭を擁するロシアも同じだ。軍備という国民生活と無縁な大量消費構造を抱える国は税を決してマトモな医療保険制度や年金制度といった「社会保障」として国民に還元することはない。

 日本のマスメディアも年金を「世代間戦争」に仕立てて、年金支給額の削減の梃に利用しているが、年金制度は子供たちを含めてすべての国民がいつかは支給という恩恵を受ける制度だ。
 政治の本質は国民の生命財産を守り、国民を飢えさせないことだ。それすらも実現できないで、何が国際貢献だ。まずは「国民の生活が第一」の政治を日本国民すべてに及ばすことだ

 米ロが今後対立関係に向かおうと融和であろうと、日本国民と一体何の関係があるだろうか。北朝鮮が弾道ミサイルを開発したからと言って騒ぐ人たちの感覚が理解できない。それは米国本土にとって大変なことであって、日本にとってはその前の射程距離千キロ程度の幼稚なミサイルの開発段階で騒ぐべきだった。
 安倍自公政権は未だに陣取り合戦の一方の旗頭・米国の三下として存在することに意義を見出しているようだが、日米安保で米国は決して日本を守らない。日本がどうなろうと、米国は知ったことではないからだ。むしろ、日本が滅んで唯一米国と正規軍同士で戦った国が地球上からなくなる方が、米国の支配者にとって望ましいことではないだろうか。

 米国流プラグマティズムのトランプ氏なら日本の存在などに構うことなく「米国民の生活が第一」の政治を強硬に実施するだろう。米国の「軍産共同体」がトランプ氏を支持しないなら、ロシアとデタントを行って軍事予算を削減しようとするのは極めて自然だ。
 中国を締め上げるには貿易を締め上げればよいだけだから、中国と敵対しても米国はそれほど今以上の軍備を必要としない。中国が「張子の虎」だということは商売人のトランプ氏も承知しているだろう。

 2017年は米国の下僕という立場を取り続けて、忠誠を誓っている安倍氏の思惑がものの見事に覆されるだろう。トランプ氏に「陣取り合戦」に興味はなく、実質的な「支配体制」こそが興味を持つマターだ。彼の言う「強い米国」とは「強い経済」ということだろう。
 このブログで主張してきた「Uターン投資減税」をトランプ氏は行うといっている。闇雲な関税撤廃に反対し、「国民の生活が第一」の政治を行うといっている。米国はトランプ氏の登場で強い経済を取り戻し、厚い中流層を再び形成するだろう。その踏み石とされるのは中国と同時に日本だ。トランプ氏に締め上げられて、安倍自公政権はいかに対応するのか。無能な政権を戴く日本国民の苦労はいよいよこれからだ。


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