ビジネスライクに徹するトランプ次期大統領。

<米大統領選で勝利した共和党のドナルド・トランプ氏(70)は10日、来年1月の政権移行に向けて共和党主流派の議会幹部と協議した。トランプ氏は政権の優先課題として移民と医療保険、雇用を挙げ、党と連携して対処する方針を示した。「イスラム教徒の入国禁止」など過激な公約については言及を避けた。

 共和上院トップのマコネル院内総務と米議会で会談したトランプ氏は、終了後に「我々は移民に強く注目している。国境(管理)、医療保険、雇用もだ」と記者団に語った>(以上「日経新聞」より引用)

 TPPに関しては大統領就任当日に離脱表明する、という。その他もオバマ氏が八年間の大統領期間中に成し遂げた「レガシー」のほとんどを見直すか廃止するという。
 しかしトランプ氏はまだ検討中で 現在も政府スタッフをどうするか人材を集めるのに追われているようだ。ことに政府スタッフが4000人も入れ替わるというから、各官庁の主要スタッフに自薦他薦で売り込む人がひきもきらないという。

 そうした中、11月17日に安倍氏はニューヨークを訪問してトランプ氏に会うという。何を急いで、まだオバマ氏の任期中にも拘わらずトランプ氏に面会を求めるというのだろうか。
 次期大統領が決まれば任期切れを目前にしたオバマ氏は用済みということなのだろうか。安倍氏の人間性が如実に表れているような気がする。

 他の国の首脳たちが先を争ってトランプ氏詣でをしないのはそうしたオバマ氏への配慮もあるのではないだろうか。しかもトランプ氏は主要スタッフすら未だ決まっていない。
 ただ、彼の判断基準は「儲かるか、儲からないか」「費用に見合う効果があるのか」といった実業家としての理念が非常に強いようだ。慌てふためいて安倍氏が面会を求めたところで「愛い奴じゃ、良しなにしてやろう」ということにはならないだろう。不動産王として一代で財を築いた男はかなり冷静に政策判断を行うと思われる。

 なまじな政治家と異なり、税の使途に関しても「自分のカネでないからシビアに考えないで、少しでも自分たちに利があるようにしよう」などとは考えないだろう。そうした経営者なら不動産王にはなれない。会社を潰しているだろう。
 トランプ氏は身内を主要ポストに就けて、トランプ王朝を築くだろう、という見方をするアナリストもいるようだが、それほど愚かではないだろう。そうした情実人事を行うような人物では、不動産王になっていない。

 安倍氏がアタフタと駆け付けるとトランプ氏は表向きは歓迎するだろうが、腹の底ではバカにするだろう。不動産王のトランプ氏に取り入ろうと近づく人物なら今までにいくらでも見て来ただろう。そうしたパフォーマンスに惑わさりなかったから、一代で財を築いたのだ。
 親の七光りで労せずして政治家になり、選挙の苦労もなく世襲で当選を重ねてきた安倍氏には苦労人の人生哲学は到底理解できない。私がトランプ氏ならつい先日までオバマ氏やヒラリー氏に取り入っていた日本の首相が次期大統領になった途端に、自分に面会を求めてくるなら嫌悪感すら覚える。渡米して来るならまずはオバマ氏に面会を求め、せめてはヒラリー氏に慰労の言葉をかけて帰国するのが筋だ。トランプ氏と面会するのは次の機会でも決して遅くはない。まだ政府の主要スタッフすら決まっていない段階でトランプ氏にとっても迷惑だろう。

 商売人には商売人としての仁義がある。不動産の売買取引を行うには相手が信用できる人物であることが第一だ。その信用ある人物かを見極めるのは相手の人物そのものを冷静に見極めることだ。そうした鑑識眼をトランプ氏は有しているに違いない。
 親の七光りで、世襲のような後援会に支えられて、労せずして首相まで上り詰めた男には理解できないところだ。安倍氏が必死になろうとも、トランプ氏の米国はTPPから離脱する。彼はプアーホワイトたちによって当選したことを忘れない。彼らを第一とした政策を実施する。けっして軍産共同やウォール街のエスタブリッシュメントたち1%の連中のための政治はしない。


このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。