国際紛争の解決に武力を行使する有史以前から現代へと続く人類の野蛮性。

<米中央軍は17日、米軍主導の有志連合がシリアで実施していた過激派組織「イスラム国」(IS)に対する空爆を中止したと発表した。同日に空爆の対象とした要員や車両がシリア政府軍の一部だった可能性があるとの指摘をロシアから受けたためとしている。12日に発効した一時停戦にも影響を与えそうだ。

 空爆はシリア東部デリゾールで実施していた。米中央軍は声明で「シリアは様々な軍隊が近接する複雑な状況だが、有志連合は意図的にシリア軍を空爆したわけではない」と釈明した。シリア人権監視団(英国)によると、少なくともシリア軍の兵士90人以上が死亡したという。

 米国防総省のクック報道官は17日の声明で「本日のシリアでの有志連合の空爆について情報収集を続けている」とし、「もしシリア軍を誤爆していたなら遺憾だ」と表明した。クック氏によると、この日の空爆計画はロシア側に事前に伝えたが、その時点で懸念は示されなかったという。今後もIS掃討作戦は続けるとしている>(以上「日本経済新聞」より引用)

 日本人には理解し難いだろうが、人類の歴史は有史以前からつい近世まで、一握りの「権力者」が圧倒的多数を支配する支配と隷属の歴史だった。その図式は欧州で顕著であって、ナポレオンが1789年、フランス革命により混乱し諸外国に蹂躙されたフランスに軍を興して欧州を平定したことにより、一握りの王族支配の軛を断ち切ったといえる。
 それ以前は現代の国家はなく、ハプスブルグ家やメディチ家やフヘルボン家といった王族がスペインからデンマークに到る広大な地域を支配していた。そうした支配により絵画や音楽などの王族文化が花開いたといえるが、決して人権が尊ばれる世界ではなかった。

 フランス革命の人権宣言は「すべての人は生まれながらにして平等である」という「人」とは「市民」のことであり、奴隷として使役していた「人」は勿論含まないし「女性」も含まれていない。
 それ以前の欧州世界は一握りの王族が圧倒的な人々を支配し搾取する社会だった。もちろん格差は極大化し、その格差は生まれながらにして連綿として受け継がれていた。
 
 欧州諸国ですら女性も含めたすべての成人に平等な選挙権が与えられたのは「戦後」のことだ。そして白人国家が他の有色国や他の有色民族を支配する植民地は先の大戦以前は世界で普通に行われていた。
 実際に先の大戦以前に完全な独立を保っていた有色人国家は世界で日本だけだった。清・中国は自らの国土を欧米列強に切り売りするかのようにしてかろうじて存続していたが、独立国家というには程遠い存在だった。

 現在も日本にも多くの人たちがGHQの洗脳と、GHQに積極的に協力した似非・文化人や似非・学者たちにより貶められているが、東条英機氏により有色人による国際会議を世界で最初に東京で開催されたことは特筆されるべきだ。
 日本の邪な世界征服の道具として「有色人国会議」を開催したのだ、と批判する反日・日本人もいるが、戦後に植民地とされていた有色人の地域が世界各地で独立した契機になったのは300万人を超える日本の兵士が戦死したからだ。

 米国を主体とする連合国に敗れはしたが、日本はアジアを植民地としていた欧米各国を撃破してそれぞれの地の民族に「われら有色民族の軍も白人の軍に勝てる」との意識を覚醒させた功績は絶賛されるべきだ。
 東条英機氏の日本が仕掛けた戦争が白人国による有色民族の植民地支配を根絶させる契機になったのは歴史的に疑いのない事実だ。それも日本が自ら望んで仕掛けた戦争ではない。ABCD包囲網により、日本は立ち枯れて行くしかない状況から「自衛のための戦争」(戦後米国議会で証言した「マッカーサー」の言葉)として開戦した戦争だった。

 戦後71年も経過したが、いまだにGHQの呪術が解けていない日本国民が大勢いるが歴史的に正しい真実は決して覆されることはない。そして世界を我が物顔に支配した連中は未だに大きな顔をして「有色人国家」に奴隷を扱うかのように土足で踏み込み、「空爆」を行っている。
 それが「有志連合」であって、正義だというのは白人たちの価値観に過ぎない。それに積極的に日本が参加する、というのには賛成できない。

 確かにISの虐殺や武力による他国や他民族支配は間違っているが、それを正すのはその地域の人たちだ。白人が出張って行ってアレコレ指図すべきではない。かつて民族自決を主張したのは米国ウィルソン大統領だったではないか。その米国が主導して「民族自決主義」を自ら踏み躙るとは何事だろうか。
 殺害し殺害され、恐怖により支配する悪しき人類史に、そろそろ終止符を打ってはどうだろうか。戦勝国だ、いや常任理事国だ、という非民主的な運営を行っている「国連」がもはや世界平和をもたらす機関でないことは明らかだ。実際に世界各地の紛争に必ず常任理事国が一枚加わって虐殺行為を「戦争」という名で糊塗している。

 安倍自公政権は隷米の立場から「有志連合」の一員だと日本を規定したが、飛んでもないことだ。彼らは戦後日本が歩んできた平和国家としての足跡を帳消しにするつもりなのだろうか。
 安倍晋三氏は「日本は有志連合の一員だ」などと馬鹿げた表明をしたものだ。それを問題視しない日本のマスメディアは未だにGHQショックに痺れているかのようだ。米国の立ち居振る舞いのすべてを正義だと是認することは出来ない。

 人が人を殺害し人が人を支配する、という有史以前から連綿と行われている蛮行を真摯に反省し、武力によらない国際紛争のあり方を真剣に模索すべき時ではないだろうか。
 既に人類は地球を数万回も破壊するだけの核兵器を保有している。これを「狂気の世紀」と呼ばずして一体いかなる表現があるというのだろうか。


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