人類の「常識」は時代と共に変わる。

<自民党の二階俊博総務会長は19日の記者会見で、2018年9月までの安倍晋三総裁(首相)の任期延長について、「総裁の内外での活躍に議論を挟む人はいない。余人をもって代え難しという状況が生まれれば柔軟に対応する」と述べ、容認する考えを示した。

 安倍首相は総裁2期目。総裁任期は党則で連続2期6年までと定められており、任期延長には党則変更が必要になる。この点について、二階氏は「党内のしかるべき機関で検討してみるというのも一つの方法だ」と指摘した。

 一方、野田聖子前総務会長は18日、東京都内で講演し、「かつて相当人気があった小泉純一郎首相ですら党の任期を守った。安倍首相も任期を守られる人だと思う」と語った>(以上「毎日新聞」より引用)

 憲法ですら無視して「解釈改憲」する人たちだから、自民党が「党規約」に定める総裁任期を無視するのは当然だ。安倍氏を「余人を以て代え難い」ほどの実績を積んでいる、と評価する程度の人たちなら替わっても大したことはない。
 それならほかの党と政権交代すべきだが、野党に第二自民党や自民党の補完政党が紛れ込んでいて、健全な野党形成を邪魔している。しかしマスメディアがそうした似非・野党の存在を後押しして、日本国民のマトモな野党を持つ権利を阻害しているのだから世も末というべきだろう。

 英国では湾岸清掃に参加した当時のブレア首相を批判する勢力が現れている。中東の平和を乱したのはむしろ米国を中心とした民主主義の押し付けをした我々ではないか、という批判だ。
 かつて欧米列強は酷い人権破壊と資源略奪の植民地主義で世界を征服した。それはそれは過酷な軍政を実行したのだが、当時の欧米列強にそうした認識はなかった。

 文化もなければ信仰もない、原始的な暮らしをしている人たちに自分たちはキリスト教という信仰を与え、社会インフラを彼の地に施し、プランテーション等の生産方法を教えた、という自負心すら欧米列強の人たちは抱いていた。だから彼らの地から生産物を収奪したり、資源を収奪しても、それらは我らが与えた文化や信仰の対価だ、という「イーブン」という考えから、犯罪的行為を行ったという自覚はなかった。
 しかし現在の国際社会で許される行為でないことは明らかだ。他国に圧倒的な軍事力で侵攻し、その地の住民を奴隷として使役し、生産物を収奪しすべての富を奪い去る、というのは許されることではない、というのが現代の常識だ。

 米国は世界に「民主主義」という宗教を布教する偉大なる国だと自惚れていた。その結果、イラク進攻は「正義の戦争」として位置づけられ、あっとあ的な軍事力で中東全域を制圧した。それに英国やフランスなども軍隊を派遣して支援した。日本は軍隊こそ派遣しなかったが、米国に軍事費の大半を支払った。
 しかし、それらは中東諸国民に対する「テロ」そのものだった。立場を変えれば米国を中心とした軍事侵攻は正当な国際関係による外交的な手段を無視した「テロ」以外の何物でもない。それを「国連決議」だとして日本政府は米国の戦争に乗った。

 常識は時代とともに変化する。それは観念の成長というべきだろう。人類は新しい観念を創造し常識として広めるが、その半面かつての常識が誤っていたことを自己批判すべきだ。しかし人類は自己批判が苦手のようだ。
 現在はすべての国境をなくし制度を一元化するグローバリズムが新しい「宗教」として世界に布教されたが、それが世界人類のためのものではなく、1%の人たちに富が集中するのに好都合な制度でしかないということが看破されつつある。

 安倍氏の政治は小泉・竹中「構造改革」グローバリズムの延長線上にある。その証拠が法人税を引き下げてその代わりに消費税を引き上げる、という法人が儲けやすくして国民には過酷な税制を強いている、さらに法人に好都合な野放図な派遣業法緩和を実施し、残業無料法も強行し、企業利益最大化のために国内生産工場を海外移転させる「国際分業」を推進してきた。
 そうした周回遅れの間違ったグローバル化を推進し、さらに周回遅れの「労働移民」を推進しようとしている。こんな欧州では英国のEU離脱という現象によりEUに欧州諸国を集約するとしていたグローバリズムが破綻しつつあるにも拘らず、日本はいまだに米国中心のTPPというグローバリズムに日本の国と国民のすべての富を献上し差し出そうとしている。

 国家はなぜ存在するのか。狭隘なナショナリズムに酔うためではなく、文化や慣習を共有する国民という単位で政治を共有するために成立させ、統治のために国民個々の「軍事、徴税、関税」の諸権利を国家に帰属させたものだ。
 民族自決を主張したのは米国の政治家だ。その米国が最も「民族自決」を破壊している。民族自決は時代とともに変化するご都合主義ではない。それこそ真理だろう。欧米列強や中国ロシアは頭を冷やして「民族自決」のために自分たちの持つ力を使うべきではないだろうか。そして日本は米国のポチとして米国の尻馬に乗って得々とするのではなく、「民族自決」のために努力すべきだ。


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