タックスイーターの節度ある品性を保つには。

<大阪市の吉村洋文市長は16日、市長らの海外出張の際に航空機のファーストクラスを使えないように市の規則を改正する考えを明らかにした。記者会見で「市民の常識から考え、逸脱しているので変更する」と述べた>(以上「朝日新聞デジタル」より引用)

 「市民の常識と照らして」とはいかなる基準か解らないが、大阪市の市長が海外出張の際に航空機のファーストクラスを使わないと決めたのは良いことだ。市長がファーストクラスを使わなければそれにならって市の幹部たちも当然ファーストクラスを使えないことになる。
 国会議員や地方議員の高額報酬や高額経費使用基準は実は官僚や公務員のためにある、ということを御存知だろうか。首相のボーナスを最高裁判所判事や事務次官たちのボーナスが上回ることはないように、都道府県知事や市町村長の報酬をそれぞれの役所の公務員の報酬が越えることはない。だから公務員たちは都道府県知事や市町村長の報酬を高額に設定して、自分たちの報酬を引き上げるのだ。

 国会議員や地方議員の報酬が高額なのも公務員の課長級や部長級の報酬を設定するのに支障がないようにしている。だから「市民の常識」に照らして地方議員の報酬は目から火が出るほど高額になっている。そうしたことに理解が及べば、市民が地方議員の高額報酬に批判の目が注がれるようになるのではないだろうか。
 一時、公務員報酬の高さが湖畔のやり玉に挙がっていたが、昨今はそうした批判は鳴りを潜めている。公務員報酬が勤労者平均給与に近づいたからかというとそうではない。以前として公務員が倍近い高給を食んでいる事実に変わりない。しかしマスメディアがそうした批判をしなくなっただけだ。おそらく再販制度維持に対する「御礼」と、軽減税率適用への「御礼」の意が含まれているのだろう。

 この国のマスメディアは腐り切っている。自分たちは霞を食ってでも、世の不条理を正して行こう、という高邁な理想をかなぐり捨てている。マスメディアの幹部たちは首相からお声が掛ればイソイソと高級ホテルのレストランへ出掛けてご相伴に与かっている。
 人品卑しき連中がこの国では大きな顔をしてのさばっている。そして税金を食い物にしている。そうした諸悪の根源は政治家の遺志の低さと高額報酬や高待遇による市民感覚の麻痺によるものだ。「都知事が二流のビジネスホテルに泊まれますか」という感覚で市民目線の政治が出来るだろうか。

 舛添氏の疑惑の一部に政党助成金の支出が上げられている。果たして政党助成金は必要なのだろうか。いかように使おうと良い、というカネを支給する必要があるのだろうか。
 どうしても政党活動に費用が掛かるというのなら、使ったカネを精査して、支給対象に当たるか否かを判定の上で給付する、という制度に改めるべきではないだろうか。そして政治家に対する報酬を見直して勤労者平均給与額の何倍以内、というワクを国会議員は自ら定め、都道府県議員や市町村議員に自治法で設定すべきではないだろうか。

 家業にして充分に食える、という報酬が魅力で、国会議員のみならず地方議員までも世襲が蔓延るのはいかがなものだろうか。そして有権者までも国政のみならず地方政治に対して無関心化しているのも、そうしたバカバカしさに愛想が尽きたからではないだろうか。
 全体への奉仕者、という使命を忘れて、全体が奉仕するもの、という感覚に陥ったハダカの王様の姿が舛添氏に重なって見えたのは私だけではないだろう。身に余る高待遇は自らの品性を貶める。高待遇にはそうした魔力があることを忘れてはならない。外交官たちが外国で籠絡されるのも、そうした「身に余る高待遇」が一番引っかかる常套手段だということを忘れてはならない。


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