運用開始後40年を迎えた高浜原発を使用期間延長許可を出すとは

 原発の耐用年数は40年と定められていた。高浜原発が運用開始後40年を経過するのを機に、原子力規制(推進)委員会に使用期間延長を申請し、本日委員会は延長を認めたという。
 いうまでもなく原子力規制委員会は規制ではなく、一貫して原子力利用推進役を果たしてきた。今回の原発試用期間の延長も川内原発再稼働許可と同様の暴挙というしかない。

 そもそも原発の耐用年数を40年と定められていたのは、コンクリート建てのビルの耐用年数が60年なのに比して、高放射線に曝されている原子炉等の劣化・損傷は激しいと想定されたからだ。今回の使用期間延長は建屋などの検査を行って「問題ない」とされたからのようだが、鋼鉄製原子炉の内部をいかにして検査したのだろうか。
 高放射線を長時間照射すれば鉄もボロボロになるという。原子炉内部もかなり劣化していると思われる。肉厚の鉄で覆われているとはいえ、40年前に決めた耐用年数にはそれなりに根拠があったのではないだろうか。

 ただ電力需給は40年前に造られた原子炉を使用延期しなければならないほど緊迫しているのだろうか。そうした状況にないのなら安全性の上から原則廃棄すべきではないだろうか。
 それとも40年前の安全基準は現在の安全基準よりも「厳しかった」とでもいうのだろうか。40年前の原子力関係の技術は現在のものと比較して時代遅れではないとでもいうのだろうか。そうだとしたら、原子力利用技術は40年間全く進化していなかったということだ。自動車の技術進化と比較すれば簡単に解ることだが、この40年間に製造技術や自動車がどれだけ長足の進化を遂げたことだろうか。それとも原子力に関しては時間が止まったままだというのだろうか。

 ローテクの原発は廃棄して、少しでも危険なものは地上から撤去すべきだ。地震列島の日本でロシアンルーレットさながらの原発を稼働する必要はない。


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