自動車が歩道を突っ切って、歩行者を跳ね飛ばすとは。

<ゴールデンウイーク後半が始まった3日、観光客や買い物客であふれる歩道に車が突っ込む事件が発生した。神戸市中央区のJR三ノ宮駅北側の交差点で午前11時ごろ、乗用車が暴走して歩道に乗り上げ、男女5人を次々とはね、車に乗っていた2人を含む計7人が重軽傷を負った。兵庫県警は、車を運転していた同区の無職沢井国一容疑者(63)を現行犯逮捕した。「よく覚えていない」などと供述している>(以上「朝日新聞」より引用)

 歩道を歩く歩行者は安全だと思っている。神戸三宮駅前の歩道を歩いていた母娘もそう思っていたはずだ。しかし暴走車が歩道へ乗り上げて母娘を跳ね飛ばして、反対側の車道を突っ走ってその向かいの歩道のオブジェの台座に衝突して止まった。
 少なくとも数十メートルの間、自動車は減速することなく歩行者に襲い掛かった。その自動車の運転者は「よく覚えていない」と事故を振り返り、「あとでゆっくりと思い出します」と語ったという。何ともふざけた63才だ。

 彼の呼気からアルコールは検出されていないし、薬物中毒だったとも思えない。が、彼は記憶がないという。記憶はないがアクセルを踏み続けてハンドルを切っている。
 何とも危険な運転手だが、この世には自動車という「殺人機械」を操っている、という自覚のない運転手はたくさんいる。自動運転車が出来ない限り、自動車がいつ暴走しだすか分からない。二トン近くもある鉄の箱が歩行者の直ぐ傍を疾走している現状は狂気の沙汰だ。

 それにしても昨日の神戸三宮駅前の自動車暴走「事件」の犯人は「大変なことをしてしまった」などという反省の弁が聞かれなかったのには驚いた。「事故の経緯がどういうことだったか、後で思い出してみたい」と述べるとはいかなる感性の持ち主なのだろうか。
 無謀運転の現行犯で逮捕されたようだが、殺人未遂・傷害罪よりは遙かに軽い量刑で釈放されるのだろう。自動車製造企業は少なくとも「人を殺さない」自動車を一日も早く標準車にして頂きたい。この夜のすべての自動車は人を認識すれば跳ね飛ばす前に、直ちに停止する自動車でなければならない。


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