妙な理解を示す「訳知り顔」市民。

<沖縄県は3月31日、基地問題に関する県民意識調査の結果を公表した。政府が進める米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画については58%が「反対」と回答。移設計画に対する根強い抵抗感があることが明らかになった。

 調査は、安全保障環境や基地問題について県民の考え方を探るため、県が2014年度から実施。2回目となる今回は15年11~12月、無作為に選んだ県内在住の15~74歳の3千人に質問を郵送し、42・2%の1265人から回答を得た。辺野古移設に関する質問は初めて盛り込んだ。
 県によると、辺野古移設を進める政府方針への賛否を聞いた質問では、「反対」が44・6%、「どちらかといえば反対」が13・6%で、反対意見が58・2%を占めた。「賛成」は13・5%、「どちらかといえば賛成」は12・0%だった>(以上「朝日新聞」より引用)

 普天間基地を辺野古沖に移設する、という国の政策に対して沖縄県民の「反対」は58.2%だったという。しかし聞き方として「辺野古沖移設を受け容れなければ」普天間基地はなくならない、という条件を付して行ったアンケートなのか、それとも普天間基地は別へ移設するとして、それでも辺野古沖基地は必要か、という問い方をすれば賛否の%は大いに異なってくるはずだ。
 アンケート調査に陥穽はある。それが意図的になされたなら、アンケートは正しい母集団の意思を代表していることにはならない。普天間基地の「移設先として」辺野古沖埋め立て基地だ、というのは「普天間基地の一日も早い撤去」を願っている人たちにとって「仕方ない」ことだとして受け入れざるを得ない、という「訳知りの判断」をすることになる。

 周南市の駅ビルの建て替えと、その巨額な建設費により建てられる駅ビルに「ツタヤ図書館」を指定管理業者として入店させることに関して、市民の意見を聞くと多くの反対意見があるのは論を俟たないが、「既に市当局が裏で根回しをしているから反対しても仕方ない」などといった意見を吐く市民が少なからずいたのも事実だ。
 つまり「長いモノには巻かれろ」という理論だ。岩国市の新庁舎建設費が85億円だったから、人口が同規模の周南市としては負けられない、ここは奮発して新庁舎建設に110億円を掛けるゾ、という馬鹿な見栄張競争を行うことに、理解を示す市民がいるのも事実だ。少し考えれば彼らが健全な市政を破壊していると解るのだが、一見「訳知り顔」をすることにより一般市民より高等なんだゾ、と愚かな優越感に浸っているようだ。

 なぜ素直な怒りを政治に叩きつけないのだろうか。それとも彼らは事実を知らなさすぎるのだろうか。新徳山駅ビルの建設費が坪単価200万円にもなるという事実を。新周南市庁舎建設費が坪単価150万円を超えるという事実を。
 都心の高層ビルの建設費ですら坪単価100万円でしかなく、マンションの建築費が坪単価85万円程度だという事実を市民は知らないのだろうか。だが、そうした高額な建設費が市議会で問題にされたことも寡聞にして知らない。政治から市民感覚が失われ、訳知り顔の市民が跋扈するのはなぜだろうか。


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