オバマ現職大統領の広島訪問を歓迎する。

<オバマ米大統領は、ケリー国務長官が11日に広島市の平和記念公園を訪問したことを踏まえ、5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の出席に合わせて現職大統領として初めて被爆地・広島を訪問するかどうかを近く判断する。11月の米大統領選の行方を含め、国内外の政治情勢に与える影響を見極める考えだ>(以上「時事通信」より引用)

 米国民には先の大戦は日本の奇襲攻撃により開始された「報復の戦争」だという認識が色濃くある。しかし日本がハワイを攻撃したのは米国政府は攻撃前に承知していたというのは史実から明らかになっている。
 日本は米国により戦争へと仕向けられ、日本の軍部が米国の注文相撲にまんまと嵌められたものだった。米国政府から突き付けられたハルノートは当時の日本にとって到底受け入れられないもので、日本は国力に圧倒的な差のある米国に対して無謀な戦争を決意するしかなかった。

 そうした陰謀術数で敗退した結果として開戦を決め、米国に対して宣戦布告の外電を米国駐日本大使館へ打電したが、大使館詰の官僚たちの不手際によりハワイ攻撃の時間に間に合わなかったのが事実だ。しかし当時の日本の外電は米国によって傍受され、米国政府は日本の駐米大使館から布告分を受け取る以前から日本軍の攻撃開始を知っていた。
 それは米国が欧州戦線に参加する口実を必要としていた米国政府の日本に対する陰謀だったことは明らかだ。しかし米国政府はハワイに対する日本軍の攻撃を「奇襲攻撃」とすることで、「卑怯な日本」を懲らしめる戦争だと位置付けて米国民の戦意高揚に利用した。

 原爆投下に対して人道主義や人権を説く米国政府と米国民が「正当化」しているのは論理矛盾している。しかし彼らは「戦勝国」としていかなる正当化も可能だ。それゆえ、戦争の早期解決に必要だった、と原爆投下を正当化しているが、当時の日本にはもはや戦争遂行能力はなく、終戦へ向けて日本政府は模索していた。
 しかし日本から終戦の申し出があれば原爆を開発した米国は原爆の効果を実証する機会を失い、それは戦後に原爆開発に要して巨額な費用の正当性を追及されかねないと考え、何が何でも戦争で使用しなければならないかった。広島と長崎の多くの市民は米国政府の原爆開発費用の正当化の為に虐殺されたのだ。

 こうした事実経過は何も特殊な一部の者の認識ではなく、広く世界的な共通認識になっているが、米国民だけはそれを認めようとしないでいる。彼らは自分たちが誤謬を犯す国民だとは信じたくないのだ。
 しかし米国は戦後一貫して誤謬を犯してきた。ベトナム戦争は赤化ドミノの恐怖から戦線を拡大したが敗れてベトナムは赤化した。が、周辺諸国で赤化のドミノ倒しはおこらなかった。

 米国民は絶えず「報復」の恐怖に怯えている。それは虐殺により国土を広げた原体験の記憶が米国民の心理の深層にあるからだ。米国は侵略により建国された国家だ。そのために600万人もの原住民が虐殺され、生き残った原住民は劣悪な環境の居留地に抑留された。それが米国建国の西部開拓史の実態だ。
 今は集団ヒステリーに欧州諸国まで巻き込んで対イスラム教徒のテロに怯えている。報復の連鎖を断ち切る勇気のない米国民は過剰反応して「日本も一緒になってテロと戦え」と命じ、それにバカな安倍自公政権が過剰反応して「ウン、ボクちゃんも共に戦う」と返答してしまった。

 米国民は自分たちは誤謬を犯さない国民だ、という信仰を捨てなければならない。その契機をオバマ大統領は広島訪問により米国民に与えることになる。それは大きな契機だ。
 米国民にとって歴史を戦勝国民として熱狂で振り返るのではなく、冷徹な思惟とともに振り返る最初の出来事になるだろう。さらに権謀術数で戦後世界を戦争と混乱の渦に絶え間なく巻き込んできた米国の所業を冷静に振り返る契機になることを願う。そろそろ先の大戦の熱狂から「戦勝国と戦勝国気取り」の安保理事五ヶ国は覚めて、本当の「戦後」世界の構築へと歩み始めるべきではないだろうか。


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