甘利氏の犯罪は「斡旋利得罪」だけだろうか。

<現金授受問題が指摘された甘利明経済再生相は、週刊文春の報道から1週間で辞任した。夏の参院選への影響を避けるための判断だが、アベノミクスを担ってきた「屋台骨」を失い、政権は大きな痛手を受けた。安倍晋三首相は「盟友」の石原伸晃元自民党幹事長を起用して局面転換を図るが、野党側は国会で追及を続ける構えだ>(以上「朝日新聞デジタル」より引用)

 甘利氏が2月4日に行われるTPP署名を前に、昨夕記者会見をして経産相辞任を表明した。当然といえば当然で、むしろ週刊誌で「確実」な疑惑が報じられて一週間も経つのに、捜査当局の姿が見えないのは異常というしかない。
 口利き斡旋を頼んで賄賂を贈ったという人物が証拠を添えて説明しているのに、「斡旋利得罪」という罪名があるにも拘らず、捜査当局が甘利氏から事情聴取に動かないというのはアマリに奇異な感じを持たざるを得ない。

 甘利氏の法律違反もさることながら、TPPなどで演じている国賊的な「犯罪」も告発しなければならない。第一、日本語訳のTPP大筋合意案がないというのも一種の犯罪ではないだろうか。
 国務大臣が外国と条約を締結するに際して、その条約案の日本語訳を国会議員や報道機関に配布して広く告知する、というのは当然すべきことではないだろうか。国民や国会議員に条約の全貌を知らせないまま、報道機関も象の体を部分的に撫ぜて国民に報道する、というのは報道機関として仕事に忠実とはいえないだろう。

 最近は報じられなくなったが、TPPにはラチェット条項(一旦締結した条約を後退させてはならない)や米国の投資家最優先条項(他の国と締結する条約も自動的に投資家とも締結したものとみなす)といった悪魔のような条項は依然として存在していることを忘れてはならない。
 もちろんISD条項は日本の国内法にも勝る米国投資家による内政干渉そのもので、日本の慣習や文化を徹底的な破壊しかねない要素を持っている。たとえば日本語は非関税障壁だ、と認定されたら貿易交渉で日本語を話す人は排除されかねない。もちろん「軽基準」などは米国車を排除するための日本の国内法だ、と提訴されれば「軽基準」は廃止しなければならなくなる。そうした非関税障壁の徹底した排除、という名目で何でもありの状況が展開されるのがTPPの怖さだ。

 出来ることなら甘利氏はTPPと道連れに政界から退場して頂きたい。彼がこの国になした売国奴的行為は取り返しのつかないものだ。しかも強固なブロック経済の形成はブロックから排除した国との関係を決定的なものにしてしまいかねない。かつて日本は欧米中のブロック経済封鎖に開戦を決意せざるを得なくなった過去を持つ。
 そうした歴史を忘れてはならず、己の欲せざることを施すこと勿れ、という精神を安倍自公政権は忘れてしまったのだろうか。アジア諸国の一員たる日本はアジア諸国との未来の関係を考慮しない選択をしてはならない。


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