元のSDR入りは元の自由化を強制する米国の思惑の果実だ。

<国際通貨基金(IMF)は30日の理事会で、特別引き出し権(SDR)と呼ぶ準備通貨に中国・人民元を採用することを正式決定した。ドルや円などに次ぐ5通貨目で、現制度になって約40年間で構成通貨の追加は初めて。元はドルや円と並ぶ国際通貨として「お墨付き」を得たことになる。貿易・投資で元の利用に弾みがつくが、中国当局にはもう一段の取引自由化が求められる。

 SDRはIMFが188加盟国に配る「準備通貨」で、通貨危機などに陥った国がSDRをほかの加盟国に渡すと、ドルやユーロ、英ポンド、円の主要4通貨と交換できる。今年は5年に1回の構成通貨の見直し年だった。通貨ユーロの発足で構成を見直した2001年を除けば、SDRに新たな通貨が加わるのは、1974年の現制度発足後で初めてだ。人民元の採用は来年10月になる>(以上「日経新聞」より引用)

 指摘するまでもなくIMFは米国が主導する国際機関の一つだ。世界通貨も基軸通貨ドルにより支配されている。現行の国際通貨は米国が完全制圧している。それが世界の現実だ。
 元がIMFに認知されることは米国支配下の国際通貨秩序に参列することに他ならない。中共政府は否応なく通貨の国際秩序に従わざるを得なくなる。つまり現行の固定為替制度や為替介入は出来なくなる。これで中国のバブル崩壊はハードランディングすることが決定した。

 SDR化することで元が紙屑化しても、元を持つ国が大きな損害を被ることが無くなった。世界は安心して元が紙屑になるのを放置できる。その上で、国家財政破綻で信任を失った元をSDRから放り出せば良い。米国の描く戦略はミエミエだ。
 元のSDR化は中共政府にとってダメージが大きいが、中国にとっては元の紙屑化で外国に迷惑をかける度合いが格段に小さくなる。それが中国の未来にとって好ましいのは論を俟たない。中共政府などという共産党一党独裁体制はサッサと瓦解すれば良い。それが中国民と日本のためだ。


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