野党は「反自民」でなければ国民は何も期待しない。

 維新の党の江田氏も「解党」を口にしているようだ。それが野党再編のためだというが、第二自民の民主党と自民党補完政党の維新の党がそれぞれ解党して新しい野党を結成したにしても、安倍自公政権に危険なものを感じている国民が第二自民党の野党に何を期待するというのだろうか。
 TPP参加に賛成し、消費増税10%を推進し、「戦争法」には修正や対案を示して成立に加担した「野党」とは一体なんだろうか。日本の経済成長を実施すると主張しつつ、実際にやっている政策は派遣業法の野放図な規制緩和により「非正規」を増やし、個人消費を冷やす消費増税を行い、効果的な企業投資促進策を示すこともなく、経済成長の芽を摘むことばかりの安倍自公政権や民主党や維新の党に国民は「国民の生活が第一」の政治を期待できるというのだろうか。

 現在の日本の政治の中心から「国民の生活が第一」という政治の当り前の原理が失われている。あるのは国家であり、それも戦争大好きな米国に従属する日本であり、米国の戦争に自衛隊を派遣して「悪」と戦う勇ましい日本への忠誠を求めている。だがそれが日本本来の採るべき道だろうか。テロ報復の連鎖という憎悪の増殖を抑制すべき旗振り役に回るべきが日本の立場ではないだろうか。
 中東の戦乱を招いたのは米国のイラク進攻だ。米国流の民主主義が最善だという思い込みから米国は中東の独裁者たちを相次いで政権から追放した。確かに彼らは軍事力で民衆を抑圧し恣に贅沢に耽っていた。私たちの基準からすれば許されざる暴政だ。しかし、それも中東諸国の国民・大衆が選択している政治体制に他ならない。それらを軍事力で打倒したところで、新たな暴政・虐殺勢力がその地を支配するだけだ。恐怖による支配を中東諸国民が望むなら、それも仕方ないことではないだろうか。

 日本は米国の掌で踊るだけの外交政治から脱却すべきだ。南シナ海への中国の進出を招いたのは米国の戦略だ。岩礁を埋め立て始めた時点で米国は偵察衛星などで知っていたはずだ。それでいて中国の岩礁埋立軍事基地化を黙認して基地になるまで放置し、基地造成が完成した時点で騒ぎ始めた。何が「自由航行」の権利だ。
 米国は南シナ海が「緊張の海」になることで中国と南シナ海を介して接する東南アジア諸国が米国に「用心棒役」を頼って来ると読んでいた。恰も北朝鮮の脅威や東シナ海の緊張から米軍頼りの日本と同じようになるとの目論見だ。
 しかし先日終わったフィリピン・マニラAPECで中国の根回しにより首脳宣言に南シナ海に関して中国を非難する文言は一言一句たりとも盛り込まれなかった。それでも米国は「自由航行」の権利を確保するために南シナ海に艦船を派遣するし、それに日本も自衛艦を出すように促している。安倍米国ポチ政権は成立したばかりの「戦争法」を行使する絶好の機会とばかり前のめりになり、この国のマスメディアも「南シナ海へ自衛艦船を派遣すべし」と国民をそのつもりにすべく論陣を張っている。

 米国の掌で踊り続ける日本の政治は米国の1%のためにはなっても、日本国民のためにはならない。南シナ海を中国が支配しようと米国が支配しようと、日本のタンカーが自由に航行できる限り何も問題はない。中国が餓鬼じみた「南シナ海は俺の海だ、誰も入ってはならない」と主張して自由航行を妨害し始めたら日本にとって問題だが、そうしない限りは日本政府が自衛艦を派遣する必然性は何もない。
 南シナ海から中国潜水艦が太平洋に進出するから問題だ、というのは米国の都合だ。米国の本土防衛にとって都合が悪いから中国潜水艦が南シナ海から太平洋へ出るのを防ごうとするのに日本も協力せよ、というのは「日米安保」条約の対象外だ。それを「戦争法」により周辺事態の概念を取り払って、世界の何処へでも自衛隊を派遣して米軍の二軍として役立たせようとしているに過ぎない。安倍自公政権はなんという愚かなことをしているのだろうか。

 南シナ海は俺のものだと主張する中国は放置していれば良い。岩礁に築いた軍事基地は現代戦では殆ど何の役にも立たない。「不沈空母」だと称する人がいるが「動かない空母」なぞ機関が故障して係留されている「空母」に過ぎない。いつでもステルス偵察機から攻撃されるだけの巨大な標的だ。
 だから米国は岩礁埋立基地が完成するまで放置していた。完成してから「脅威だ」と騒ぎ始めた。それに日本のマスメディアも同調して騒いでいる。一体いつまで日本は米国のポチであり続けるつもりなのだろうか。

 前原氏や江田氏たちが民主党や維新の党を解党して巨大野党を形成しようと主張しているが、彼らの政党が何をする政党かを国民は知っている。自民党の代役に過ぎない「野党」なぞこの国は必要としない。隷米政権・国民搾取政治は自公政権だけで沢山だ。
 日本には日本独自の慣習と伝統がある。それを米国流儀に社会制度のすべてを一新するTPPなぞに参加するのはこの国を基本のところから破壊することに他ならない。消費増税によりGDPの主力エンジンの個人消費を減速させて、経済成長を叫ぶ安倍自公政権の経済原理無視の政治を否定しない政治を国民は求めていない。
 民主党や維新の党の政治家たちは「野党」とは何かという政治理念の一から勉強し直すべきだ。単に「解党」を口にすれば支持が回復するという安易な考えは国民をばかにしている。自公政権を倒したら出来の悪い第二の自公政権が出現しただけだ、というかつての悪夢の再現は見たくない、と誰しも思っている。


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