政権戦略なき「野党」はネズミを獲らない猫だ。

<小沢氏は談話で、安全保障関連法を成立させた安倍晋三政権を批判した上で「今回の違憲立法がまかり通れば、また戦前の昭和史と同じことを繰り返しかねない」と持論を展開し、政権交代の必要性を説いている。

 「政権交代を目指さない野党連携は子ども遊び」と言い切り、野党が結集した新党結成の必要性を強調した。ただ、現実的ではないことを認めた上で、次善の策として野党各党の候補が「統一名簿」方式で戦うべきと主張している。

 小沢氏によると、「統一名簿」方式とは、届け出政党を新たにつくり、各党の候補が個人として参加する方法で、既存政党からの離党、解党は必要がないという。さらに、この方式で戦えば「参院選の1人区はほぼすべて勝利」するというのが青写真だ。

 まるでバラ色の未来が待っているかのような“小沢理論”だが、「統一名簿は非現実的で、野合の極みだ」(民主党中堅議員)というが永田町の常識的な見方>(以上「産経新聞」より引用)

 検察と一緒になって「政治とカネ」というプロパガンダ報道を三年有余も繰り広げて、小沢氏を政治の表舞台から追放した「翼賛報道機関」の最右翼たる産経新聞だけのことはある。再び小沢氏の存在感が高まるや、誰がどう判断しているのか「過去の人」と断じて、「野党連合」を荒唐無稽と「永田町の常識的な見方」だと、これも根拠なき批判を宣伝している。
 どこまで腐り切ったマスメディアなのだろうか。政権批判なきマスメディアに存在意義があるのだろうか。追従記事と隷米政策大歓迎の日本のマスメディアのあり方にはおぞましいほどの危機感を覚える。日本のマスメディアはこの国をどうしようとしているのか、マスメディアを支配しているのはどういう勢力なのだろうか。

「戦争法」が安倍氏の言うレッテル貼りなら、「壊し屋」もレッテル貼りだろう。小沢氏に対する謂れなきレッテル貼りを繰り返して、プロパガンダに過ぎない「政治とカネ」をすべてのテレビ局で連呼して小沢氏を政治的に追い詰めた罪を一切感じていないようだ。
 彼らが仕出かした罪の大きさは歴史の歯車を言論機関統制により恣意的に動かしたことだという大罪だという認識を持たない底なしの愚かさが恐怖感すら覚えさせる。戦前の翼賛プロパガンダを垂れ流したマスメディアと何処が異なるというのだろうか。

 それよりもマスメディア本来の第三の権力として、安倍氏が息をするごとく吐き散らしている嘘を、なぜ追求しないのだろうか。国際社会に向けて放言した福一原発事故による放射能ダダ漏れは「完全にブロックされ、コントロールされている」のか、アベノミクスは成功して日本経済は景気拡大の好循環に入っているのか、なぜ日本のマスメディアは検証記事を書かないのだろうか。
 首都圏の東京都民をはじめ、大勢の日本国民が日々放射能被爆している事実をなぜマスメディアは完全スルーしているのだろうか。福島県の放射能汚染地域で一時帰宅や完全帰宅が逐次許されているが、そこは本当に除染が終わって人の生息に適している地域となっているのか、それを証明する資料をマスメディアはなぜ示さないのだろうか。

 アベノミクスが失敗に帰して、安倍氏の主張する第二のアベノミクスも画餅に過ぎないことは経済原論程度を学んだ者にも明快に解ることにも拘らず、なぜマスメディアは一切批判しないのだろうか。ネット上には正規の統計資料により勤労者実質所得が減少していることのみならず、あれほどボーナスが増えたと大企業の「好景気ぶり」を政府と一体となってマスメディアも宣伝したにもかかわらず、実際の統計資料はこの夏のボーナス実績は前年を下回っていることを示している、という事実は常識だが、世間一般はマスメディアにそうした報道は一切ない。
 法人税減税と労働分配率は別物だ、という議論が一切ないのも日本のマスメディアの怪だ。国連で安倍氏が「法人税率を20%台に下げるから、海外の投資家は日本を買ってほしい」と演説したが、米国は40%の法人税率ながら、世界から多額の投資を呼び込んでいるのはなぜだろうか。つまり法人税減税は内部留保を増やす効果はあっても、外国から投資を呼び込む動機付けにならないことは証明済みだということすら、安倍氏は認識していない政治家だと自ら暴露していることでしかない。

 立憲主義は法治国家の根幹だ。すべての法律に優先する憲法を無視することは、日本が法治国家でなくなる、ということだという危機感をマスメディアは率先して広報すべきだ。それが本来の報道の自由だが、しかしこの国のマスメディアは既に翼賛体制に絡め捕られたかのようだ。
 米国の戦争が正しく、それに対抗する武力行使は邪悪だ、というテレビの勧善懲悪モノのような観点からの報道には呆れ返る。今朝、アフガン北部空爆の米軍機が国境なき医師団を誤爆した、との報道がなされている。武力行使に正義も悪もない。そこにあるのは破壊と殺人だ。日本国憲法はそうした結果しかもたらさない「武力行使」を「国際紛争解決の手段として認めない」と規定している。現行憲法が存続する限り、「戦争法」は憲法違反だ。米国追従のためには仕方ない、というのは人を憎んで罪を憎まないのと同じことだということを知らなければならない。米軍が撤退すればタリバンが勢力を盛り返すのは解り切っていたことだ。

 イスラム国の存在を誘発したのはイラク進攻から始まる米国の戦争と、米国の敵対勢力を攻撃するために現地勢力に援助した米国製の武器・弾薬だ。その後始末は米国が付けるべきだ。それも武力によるのではなく、民族自決を基本にした話し合いで。
 日本は米国の戦争に加わってはならない。日本は人類平和を希求する日本の道を歩むべきだ。それなら米軍は日本から撤退する、というのなら「いつでもどうぞ」と言えばよい。本来、日本の防衛は日本国民が当たるべきだ。そのための防衛予算はしっかりと日本国民が負担すべきだ。安全保障タダ乗り論、などといった自虐的な馬鹿な議論に振り回されるのではなく、世界のどの国でも当然の権利として防衛力をしっかりと堅持すべきだ。そうした議論こそ日本のマスメディアは展開すべきではないだろうか。


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