なぜ安倍政府はロシアとの首脳会談を急いでいるのか。

 想像通りの日露外相会談の結果だった。岸田外相は北方四島について一時間40分の会談時間の実に一時間も話し合った、と共同記者会見で話したが、露外相は「北方四島は議題になかった」と素っ気なく、解決済みの問題だとするロシア政府の見解を出ないものだった。
 岸田外相は不満顔で会見の最後になかなか椅子から立ち上がって握手しなかったが、子供じみた態度を取ったのはいかがなものだろうか。行く前からロシアはこうした対応をするだろうと想定していたはずではないか。もしも好感触を得られると期待していたのなら、甘いといわざるを得ない。

 ロシアは先月に首相が北方領土を訪問し、ロシア政府がロシア国民に入植者には好条件で歓迎すると、募集していたことから外相会談は行っても良い結果にはならないと思うべきだった。プーチン大統領を何が何でも年内に日本に招いて、首脳会談をしたいと思っているようだが、プーチンは決して日本にやって来ないだろう。
 その理由はロシア国内にある。いうまでもなくロシア経済は国家財政の赤字とGDPの落ち込みから危機的な状況にある。その原因の一つはウクライナ制裁であり、もう一つは原油価格暴落にある。

 ロシア経済は原油と天然ガスの資源輸出貿易で成り立っている。その原油・天然ガス価格が暴落して、ロシア経済が危機的状況にあるのだ。
 プーチンはロシア経済の構造を資源輸出依存から内需拡大へと転換すべくロシア国民に公約してきたが、一向に構造改革は進まなかった。なぜなら、資源輸出経済が一握りのロシア・マフィアに牛耳られているからだ。プーチンは彼らに取り込まれることによって、大統領を続けているに過ぎない。

 日本がパイプラインを日本の資本でロシア領極東まで延伸し、ロシアから天然ガスを購入するなら御愛想に首脳会談ぐらいは応じるだろう。しかし決して北方四島は手放さないだろう。
 ロシアが社会主義を放棄して、民主国家になったなら、北方四島を購入できるかもしれない。アラスカを帝政ロシアが米国に売却したように。そうした解決方法しかないことを肝に銘じて、日本政府はロシアの社会主義体制が瓦解する方向で外交を行うべきだ。

 決してプーチンたちとコミットしてはならない。プーチンの後ろにはロシア資源マフィアがいることを忘れてはならない。ロシア政府は国民のための政治をしているのではなく、ロシア国内の1%の人たちのために政治を行っている。それゆえ、芸人並のパフォーマンスと人気がプーチンには必要なのだ。
 安倍氏はそのプーチンのご機嫌取りにソチ・オリンピック開会式に西側首脳として一人ノコノコと出掛ける失態を犯した。安倍氏の能力と判断力では、外交は無理なのかもしれない。それなら彼が政権にある間は何もしないでいた方が良い。今からそれほど長くないだろうから。


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