主要企業の中国経済に対する甘い見方は問題だ。

<毎日新聞は11日、主要企業123社を対象にした景気アンケートをまとめた。2015年度の日本経済の懸念材料(最大三つまで回答可)を聞いたところ「中国経済の先行き」との回答が83%(102社)で最も多く、「消費の低迷」51%(63社)が続いた。来年3月までの中国経済の先行きでは「悪くなる」との予想が53%(65社)に達し、「横ばい」は38%(47社)。企業が中国経済の減速懸念を強めていることが改めて鮮明になった。
 アンケートは8月17日から9月上旬にかけて実施した。中国政府は今年の経済成長率の目標を「7%前後」としているが、中国経済の現状について「政府目標より減速している」との回答が75%(92社)に上った。「ほぼ目標通り」は20%(24社)にとどまり、「目標より改善」はゼロだった>(以上「毎日新聞」より引用)

 日本の主要120社の経済に対する懸念の第一位は「中国経済の先行き」ということのようだが、まだまだ見方は甘いようだ。主要120社の中には対中投資している企業も多いためか、中国経済に対して「あって欲しい」という願望が込められているのではないだろうか。
 中国経済の実態は想像を絶するものではないだろうか。なぜなら自由経済で全国に百以上も「鬼城」と呼ばれるゴーストタウンがあり、各地の大型ショッピングモールが軒並み業績不調で櫛抜けから閉鎖へと追い込まれているという。「爆買い」などの中国民の消費そのものが元増刷によるもので、見せかけに過ぎない。

 産業基礎材の過剰生産も限度を超えた異常そのものだ。いかに計画経済といえども、中国でどこが生産調整の旗振り役をしているのか疑わしい。つまり過剰な生産設備の廃棄を命じる部署が中国政府に存在しないのではないかという疑いがある。
 中国の大企業は公営か外国資本だ。公営とはすべてが国営という意味ではない。多くの公営の経営主体は「人民解放軍」だ。つまり軍事力を背景にした企業のため政府は無暗に口出しできない。そのため生産過剰のセメントや鉄鋼などの生産調整にどの設備を廃棄するのか、あるいは生産停止するのか、決定するのが困難なのだ。

 だから最初に皺寄せが来たのが外国投資による企業で、彼らは早い段階でさっさと資本を引き揚げて撤退してしまった。日本のトヨタなどは未だに中国に300億円投資して生産合弁会社を建設している、というお粗末ぶりだ。自動車にしても中国の年間需要2000万台に対して、供給は4000万台と二倍に達している。しかも自動車生産会社は100社以上もあって、それらが競うように生産を続けているため在庫の山が築かれている。
 中国に進出した日本の企業は撤退にあたって中国の特殊な民法(しかも事後法)により解雇する従業員に過大な退職金の支払いを命じられ、中国企業に内部留保した利益の日本への送金を止められている。それだけではない。従業員から提訴されれば日本人経営者は出国を足止めされるのだ。民法で出国などの身柄を拘束されるとは、国際法違反だが、日本政府が国際司法裁判所に提訴したとは寡聞にして知らない。

 日本の小売業で中国へ進出した企業は軒並み失敗している。先駆けとなった「オヤハン」なども出店当初は客がワンサカ押し寄せたが、アッという間に業績は悪化して破産してしまった。
 そもそも上がったといえども月収4万円程度の庶民が何を買うというのだろうか。しかも社会主義国であるにもかかわらず、医療や年金などの社会保障はお粗末で、庶民は万が一に備えて貯蓄に励まざるを得ない。そうした状況で個人消費が増加するはずもなく、いつか個人大量消費の時代が来ると期待して進出した日本企業は当てが外れた格好になっている。

 6月から始まった上海などの株大暴落は3000ポイントを挟んで落ち着いたように日本のマスメディアは報道しているが、それらは自由市場で形成されている株価でないことをマスメディアは同時に報道しなければ中国政府の策略をそのまま報じていることになる。
 つまり中国政府は各企業の主要株主に「株売却の半年間禁止」を通達し、暴落が予想される企業には「株式取引停止」を命じている。その企業数は半数程度に減少したが、一時は2/3に達していた。現在も中国の株式市場は大暴落の途上にあって、中国政府が強権で空中に株価を浮遊させているだけだ。いわば自由市場とはかけ離れたイリュージョンの世界に中国株はあると理解しなければならない。

 投資も「仮想需要」による過剰投資で崩壊してシャドーバンクは既に一万社を超えてバタバタと倒産し、個人消費も庶民の貯蓄の多くは既にシャドーバンクで再建の紙屑に化けてしまって購買力は喪失し、外国貿易も統計実体で対前年比減に陥っている。GDPを形成する三要素、投資、個人消費、貿易のどれをとっても絶望的だ。
 それでも日本の企業経営者たちは「中国経済の先行きが不安だ」と心配しているのは現状認識が甘すぎるというしかない。習近平氏は自らの命が懸っている経済の絶望的な舵取りに取り組んでいる。いつ彼が舵取り役を投げ出して「亡命」するかは時間の問題だ。決して大袈裟な分析ではない、中国全土で15人以上による暴動が年間30万件以上も発生しているといわれている。

 それらの暴動に人民解放軍が加わったとたんに、中共政府は崩壊する。全国に戒厳令が敷かれ、軍事独裁政権が樹立されるだろう。その後の民主化にはタイなどの東南アジア諸国を見ればいかに困難な道のりになるかは容易に想像できるだろう。
 日本を基準として考えてはならない。東南アジアで日本国民だけが異質なのだ。曲がりなりにも日本が民主化しているのは国民意識の高さによる。それは江戸時代の寺子屋教育に端を発した歴史的に庶民の識字率の高さによる。庶民の学識の高さが、その国の未来を決める。中共政府の捏造した歴史を教え込まれ、情報統制社会に明るい未来はやってこない。決して中国に幻想を抱いてはならない。「爆買い」も中共政府の演出であることを忘れてはならない。


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