「米国を攻撃する国なんてないから、米国のポチなら安心だ」とは。

 日本の右翼はもっと体面を大切にするかと思っていたら「米国を攻撃する国なんてないから、米国のポチなら安心」だとは情けない。米国が戦後70年間を見ただけでも世界にとって有難い存在なのか、それとも迷惑な存在なのか、明らかではないだろうか。
 独裁国家や中国に対しては「人権抑圧は良くない、」とか言いながら、米国内では未だに黒人を差別しているではないか。他紙から大統領に黒人が成ったが、白人警察は黒人の容疑者を見境なく射殺しているではないか。そして所得格差は拡大し、フードスタンプ支給対象者は高止まりしたままではないか。

 もっと悲惨なのは普通の家庭ですらちょっとした手術を要する病気に罹ったら、高額な医療保険に入っていない限り医療費で破産するのは普通のことだという。そうした社会に日本もしようというのがTPPの目論見だ。そして浮いた予算を米軍支援の自衛隊海外派遣部隊の装備や隊員報酬に回そうというのだ。
 既に労働関係法制は今国会で「非正規永続法」が通過したため、ほとんどアメリカン・ナイズされてしまった。戦後営々と積み上げてきた労働者の権利はかくも脆くも崩されてしまった。そして残るのは企業の内部留保が最大、というニュースだけだ。それが日本国民の求める日本社会の在り様だろうか。

 米国が日本と日本国民を戦後70年間守ってくれたと本気で思っている日本人がいるとしたら全くの無知か余程の能天気だ。たとえば終戦直後の日本に「食糧支援してくれた」と思っている日本国民が多いが、米国はそんなにお人好しではない。
 米国は日本でいう古古米に相当する「飼料」に回す予定の小麦粉やトウモロコシを「正規の値段」で売り付けただけだ。当時の国家予算の約48%もの金額を日本政府は米国に支払っている。それをことさら報道しないのはこの国のマスメディアが未だにGHQの洗脳から醒めていない証拠だ。

 米国は日本国内に米軍基地を置いている方が安上がりだから米軍を駐留させているだけだ。安保条約は中国が本気で日本に侵攻して来た場合、駐留米軍は自動的に日本防衛に乗り出すようにはなっていない。米国議会の同意を必要とする、と安保条約に書かれている。
 そして最も大事なのは「どちらか一方からの破棄通告により一年後に安保条約は解消される」となっていることだ。日本がいかに片思いしようと、米国が「日本は米国の利益に役立たない」と決めたら、さっさと撤退できるのだ。米国が中国と手を握って、日本を見捨てないという保証はどこにもない。

 だから日本は日本国民が守るべきだと何度もこのブログに書いてきた。他国へ出掛けて戦争する暇など自衛隊にはないし、他国とは戦争よりも友好関係を取り結ぶ方が大事だし、日本防衛に最も有効な手段だ。
 反日政策を推進する捏造国家・中共政府の中国とは決して相容れないが、民主政権が樹立された中国となら友好にやって行けるだろう。それは北朝鮮でも韓国でも同じことだ。反日を国是とするような政府とは相容れないし、相容れる必要もない。しかし基本的にそれぞれの国民とは友好関係の手立てを残しておかなければならない。それがしたたかな外交だ。

 米国一辺倒でいかに片思いしようと、米国はプラグマティズムの国だ。利用出来るモノには価値を認めるが、彼らの観念を超える国際平和の有り方には理解を示さないどころか「有益」とは思わないだろう。
 日本は米国が大きな顔をしている西側諸国に属している、と考えるのは単細胞の考える思索方法だ。日本は自由主義圏に属しているが、米国の乾分ではない。日本はあくまでも日本だ。日本国民の考える世界平和のあり方があっても良いはずだ。それは現在の安保理常任理事国の利権調整機関に過ぎない国連を中心としたものではない。すべての国や地域や民族が平等な国際機関を世界平和のために提唱し、国際紛争を武力による解決を行わないことを旨とする機関でなければならない。

 憎悪や憎しみの連鎖は仏教徒たる日本国民に馴染まない。米国の乾分になることは米国の憎しみやテロの連鎖を引き受けることでもある。そうした価値観は日本国民にはない。欧米列強の植民地主義と日本の「併合」とは全く異質なものだった。それと同じく米国と日本とは異質な国だということを弁えるべきだ。


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