国家と国民を守るのは「戦争法案」ではなく、「子ども手当」だ。

 安倍自公政権は日本を取り巻く国際情勢の変化により、従前の「安保法」では限界があり「戦争法案」の成立が必要であると繰り返し国会で答弁している。それほど日本を取り巻く国際情勢が悪化し、日本に差し迫る危機が増大しているのだろうか。
 安倍氏が「危機」として示していた「ホルムズ海峡の機雷封鎖」は、やると脅していたイラクが米国と基本的和解に応じて、海峡の機雷封鎖という事態は遠のいた。次に中国艦船による尖閣諸島への接近は一時期より減少している。それも中共政府が尖閣諸島に対する領有権を主張するどころではない事態に直面しているからだ。

 日本が直面する「危機事態」として、安倍自公政権が説明している国際関係とはそのようなものだ。絶えず変化する国際関係と外交関係は「悪化」させることもできれば、改善することもできる。私はこのブログでホルムズ海峡の機雷封鎖をイラクはしないと書いてきた。なぜならイラクも原油などの資源輸出が国家財政の基礎をなす「交易経済国家」だからだ。
 国際交易を阻害してイラクが存続することはあり得ない。いかにイラク政府がイスラムの原理主義を唱えようと、国民を飢えさせて指導者の安寧は得られない。結局は国家指導者といえども国民と自らを殉死させては゛国家指導者」の地位にいる意味がないからだ。

 それは中共の中国にもいえるだろう。習主席は自身の生死に構わず国家運営をすることは決してない。まずは自身と中国共産党の自身の仲間たちの安寧こそが主命題で、そのためには他国と戦争も辞さないかも知れないが、日本と事を構えて自身と仲間たちの身の保全を中南海ではかることは困難だ。
 なぜなら日本と事を構えて東シナ海で戦端を開いて自由貿易を維持することは困難だ。日本の側に立つ自由主義圏の国々が中国に制裁を課すのは火を見るよりも明らかだからだ。中国は貿易取引がGDPの三割以上を占める。国内生産企業に従事する国民を含めれば、貿易依存経済割合は五割を優に超えるだろう。そうした自由諸国に対する貿易で成り立つ中国が日本と戦争をするとは決して思えない。自身と仲間たちの地位のみならず命まで失ってでも「大義」のために日本と戦争をすることはない。

 安倍氏が主張する「日本に迫る危機」とはそうした実態のない影絵のようなものだ。ただし、備えをキチンとしていなければ、武装解除した日本領を旧ソ連が火事場泥棒を働いたように、世界には矜持なき夜盗のような国も存在することを忘れてはならない。米国も占領軍のまま大きな顔をして日本に居座って「安保条約」という米国本土を中国の大陸間弾道弾ミサイル攻撃から守るための基地配備を日本に展開する口実に過ぎない「口約束」を日本政府に信じ込ませている。
 安保条約は日本が攻撃されたら「自動的」に日本の駐留米軍が相手国と戦争するようにはなっていない。日本を守ってくれるはずだ、という片思いに終わる可能性だって十分にある条約であることを日本国民は認識すべきだ。だから憲法を改正して自衛隊を「日本防衛軍」と名称変更して明記し、専守防衛を憲法上も確固たるものにすべきだ。

 ただし、武力行使は周辺事態に限定し、国際紛争の解決に武力の行使は永久に放棄することに変わりない。つまり日本は武力行使も辞さないとする国連の安保理常任理事国の有り様とは一線を画す。民族自決権を尊重し、人類の基本的人権と自由を尊重する国際社会を希求する国として存在すべきだ。
 安倍自公政権は国連の安保理の常任理事国になろうと焦がれているようだが、国連がそんなに立派な国際機関として働いてきただろうか。所詮は常任理事国の利害調整機関に過ぎなかったのではないだろうか。国連こそが最も「構造改革」すべき機関だ。その旗振り役をするためにも、日本は「戦争法案」を成立させるべきではない。米国のポチに日本を貶めてはならない。


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