責任感の薄い大人たちの社会を写す防犯カメラ。

<大阪府高槻市の物流会社の駐車場で13日深夜、平田奈津美さん(13)=同府寝屋川市立中木田(なかきだ)中1年=の遺体が見つかった事件。大阪府警は21日、寝屋川市香里新町に住む職業不詳の山田浩二容疑者(45)を死体遺棄の疑いで逮捕した。山田容疑者が浮上したきっかけは、平田さんの遺体が見つかった大阪府高槻市の物流会社の駐車場付近にある防犯カメラの映像だ。大阪府警の捜査員は山田容疑者の車を追跡し、21日の逮捕前に大阪府柏原市青谷の竹林に立ち寄るのを確認したという。その後、府警は竹林周辺で星野凌斗(りょうと)さん(12)とみられる遺体を見つけた>(以上「毎日新聞」より引用)

 男女二人の中学一年生が一晩中、駅近くの商店街を彷徨していた、というのに親は心配して探し回ったというのでもなく、目撃した大人たちも声を掛けるでもなく防犯関係へ通報するでもなく、放置していたとは驚きだ。いつから大人たちは社会で保護すべき青少年に無関心になったのだろうか。
 そもそも夜中に家を出る、もしくは家を出て夜中になっても子供が帰って来なくても、自分たちが必死で探しまわるでもなく関係機関にすら通報しなかったのはなぜだろうか。子供を健全に育成すべき大人の責任は一体どこへ行ったのだろうか。

 結果として中学一年生の男女が他殺体で発見された。何とも痛ましい事件だ。これから春秋に富む人生が彼らにあったはずだ。それらをすべて奪い去った憎むべき殺人犯の容疑者が逮捕されたのはせめてもの慰めだが、殺害された二人の命は戻ってこない。
 親をはじめとする大人たちの無責任さと引き換えに、防犯カメラが犯人逮捕にいかに役立ったかを認識すべきだ。昨今の防犯カメラは画像の解析度が上がって遠くからでも人物の特定ができるようになっている。ことに道路に警察が設置しているオービスなどは高画質でナンバープレートや同乗者までくっきりと特定できるようになっている。

 車を使う昨今の犯罪の捜査に防犯カメラは効果的だ。もちろん街角の歩行者を映し出す防犯カメラも犯罪者たちを特定するのに役立っている。
 しかし現在のところ、防犯カメラが働くのは犯罪があってからだ。未然に犯罪を防ぐに到っていないのは残念というしかない。商店街の防犯カメラを誰かがリアルタイムで監視していて、中学の男女二人が未明の商店街を彷徨しているのを注意したなら、彼らは命を落としていなかっただろう。そうした対策をとるのは困難なのだろうか。

 つい先日も同居する大人が一歳児を「揺さぶり行為」により死亡させるという事件がおこった。大人たちが乳幼児や子供たちを殺害するとは何ともおぞましい。
 大人としての自覚もなければ、道徳も倫理観も備わっていない大人たちが何と多いことだろうか。彼らは義務教育でどんなことを学んだのだろうか。彼らはどんな家庭で育ち、どんな家庭教育を親や地域社会から受けたのだろうか。昔と比べて大人たちは便利な家電製品に助けられて自由時間は格段に増えている。それらの自由時間は一体何に振り向けられているのだろうか。少しは家庭教育や地域社会の子供たちに使っても罰は当たらないだろう。


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