支持率低下でテレビ媒体というボピュリズムに縋る安倍氏。

<安倍首相は6日、自民党のインターネット番組に出演し、今国会で審議中の安全保障関連法案について、「『いざ』という時の備えだ。作っておけば安心で、抑止力になる」と強調した。
 法案への理解が広がっていないとの批判を受け、首相自らが前面に立ち、政府の考えをアピールする狙いがある。首相は13日まで計5回にわたり同番組に出演する予定だ>(以上「時事通信」より引用)

 安倍氏がネット放送に出演するという。一次内閣を投げ出した直後、テレビ出演して励まされた記憶が蘇ったのか、テレビメディアに出ることで「庶民性」をアピールしたいのだろうが、一国の首相は軽々にテレビ出演すべきではないし、マスメディアも首相のテレビ出演には慎重であるべきだ。
 なぜなら、首相の発言は国際的に即座に強い影響力を持つ。ゆえに言葉を選んで発言しなければならないし、後に検証できる『議事録』として残る場での発言でなければならない。首相が発言すべき場としてふさわしいのは厳密に言葉を遂行した原稿を読むものか、後で取り消しが出来る国会での発言であるべきだ。

 しかしテレビ出演がきっかけでネトウヨの支持を獲得した安倍氏にとってテレビ媒体は魅力的なのだろう。それは恰もギャラは少なくとも紅白に出たがる歌手のようなものだ。
 そういえば安倍氏と仲良しの橋下氏もテレビ媒体により寵児となった人物だ。同じ番組に出演して広く国民の支持を獲得して政治へと打って出た。テレビ出演は政治への登竜門のようでもある。だがテレビ媒体はそうあるべきなのだろうか。

 かつて参議院に全国区があった頃、オバケのような得票を獲得した候補者がいた。長く日曜日の「のど自慢」番組を司会していた故・宮田氏だ。ラジオの時代から白黒テレビを経てカラーの時代まで「のど自慢」一筋に全国の公開放送に出演し続けた。
 テレビ媒体で人気を博せば選挙で有利になる。大阪の漫才師が何人も国会の赤絨毯を踏んだ。それがすべて悪いとはいわないが、政治家がそれで良いのかと問い掛けたい。

 安倍氏はテレビ出演を熱望するよりも国会で「違憲」質問に対して、違憲に当たらないという説明にもっと具体的な事例を引くなり、力を入れるべきだ。同じ言葉を繰り返したり、野党質問をはぐらかしたりしないで、ここまでは合憲だという限界を明確に説明すべきだ。
 そしてそれが憲法第九条といかなる根拠で整合するのかを真摯に説明すべきだ。国会は遊びではない。国家の命運を決める議論の場で、一日開くと3億円かかるといわれている。現在も延長会期中だ。国会の審議時間だけをこなすのではなく、国会審議を通して国民理解を図るのが政治家本来の務めだ。テレビ出演で国民理解を得ようとするとは、首相たるものは安易な道を選択すべきではない。もっとも「戦争法案」が自衛隊員の命を米国の戦争に捧げる隷米法案に過ぎないため、国民理解は決して広がらないが。


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