日韓間に安易な妥協は危険だ。

<岸田文雄外相は21日夕、韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相と東京都内で会談した。両外相は、韓国が反対していた「明治日本の産業革命遺産」(計23施設)の世界文化遺産への登録について、韓国側の主張を一部反映し、韓国が登録を求める推薦案件と合わせて登録が実現するよう協力することで一致した。安倍晋三首相と朴槿恵(パク・クネ)大統領との初の首脳会談については「適切な時期」に開催することで一致したほか、日中韓首脳会談を年内に行うことを確認した>(以上「毎日新聞」より引用)

 ここにきて急速に韓国から歩み寄りがあったのはなぜだろうか。しかし韓国の民間団体が韓国の駐日大使館前や米国などに建立された「従軍慰安婦像」を撤去するなどの措置がなされない限り、日本政府が韓国政府の関係改善の呼びかけに応じる必要はない。
 日本の明治日本の世界遺産登録に関しても、韓国政府から抗議を受ける謂れはなく、それに関して韓国政府が歩み寄るから日本も韓国が申請する百済文化遺産に関して協力せよ、とは何事だろうか。苛めていた子供が苛めるのを止めるから何か褒美を呉れ、というに等しく決して認められることではない。

 日韓首脳会談に関しても、根拠なき韓国政府が捏造した史観に関して日本政府の「反省」が見られないという理由から、首脳会談を拒否してきたのは韓国政府側であって、告げ口外交を展開して世界に日本の悪口を言い触らしてきたのは韓国政府だ。それに対して日本は大人の態度で「無視」を決め込んできたから、決定的な日韓間に亀裂が入ることはなかったが、両国民の民間感情は決定的に悪化してしまった。
 日本国民の80%以上は韓国を信頼すべき国とはみなしていない。今後とも日本政府が韓国に無原則に歩み寄ると、日本政府に対して日本国民の「嫌韓感情」が日本政府に対する反感に変貌するだろう。安易に日本政府は韓国政府に妥協してはならない。

 日韓関係の改善による「益」は日本側よりも韓国側により多い。日韓関係を無用な「反日政策」により悪化させた韓国は経済的に行き詰っている。北朝鮮の脅威に対する備えにも事欠くありさまだ。
 それに対して日本と米国の協力が必要だというのは韓国民の常識のはずだが、韓国政府は中国の提唱したAIIBに参加したり米国の求めるミサイル防衛に踏み切るのを先延ばししてきた。それらは中国に「益」をもたらす日米に対する反逆行為に等しい。そうした外交を展開しつつ、ここにきて日米に北朝鮮の脅威に協力して欲しいとは厚かましいにもほどがある。

 日本国民の多くは韓国を見捨てるべきだと考えている。日本の税と日本国民の命を投じても何も良いことはなかったではないか、と歴史から学んでしまった。韓国政府と韓国民は「日韓併合時代」を「朝鮮半島の近代化の時代」とは捉えず、不幸な「日帝植民地時代」だととらえている。
 そうした歴史観しか持っていないとしたら、韓国に日本がいかなる善意を施そうと無駄だということになる。無駄であるだけでなく、捏造した歴史を韓国民に教え込んで「反日政策」を現在も進めている。日本が韓国民の幸福を願うなら韓国とは一切の関係を断つことのようだ。それを暫くは実践して、韓国政府の表面的な歩み寄りの姿勢に安易に乗らないことだ。


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