矛盾だらけの経済政策をやってきて、今更「成長主導で財政再建」とは。

 安倍政権が誕生してから二年半以上経過して、この間経済政策として政府は何をやってきただろうか。政権樹立後一番に掲げたのは「経済特区」だったが、未だに始動していないし全国で「経済特区」指定争いが演じられている様子も窺えない。地方は安倍自公政権の経済政策に何も期待していないということなのだろうか。

 次にやらかしたのが「残業代タダ」と「派遣業法の野放図な規制緩和」策だ。それらは勤労者への労働分配率を引き下げるものでしかなく、社会的には非正規勤労者の増大による若者の安定した生活基盤を崩壊させるものでしかない。次に持ち出したのが地方創生だったが、具体的な政策は何もなく、地方の自主性に任せるという名目の丸投げだった。そしてトドメは消費増税により個人の可処分所得を税により奪うという愚行を犯した。
 それらはすべて経済成長の主力エンジンたる個人消費の増大に逆行するものでしかなく、景気の悪化を自らの政策でもたらしておいて「成長主導で財政再建」だとは悪い冗談でしかない。安倍自公政権は国民の目先を晦ます政治課題を次々と掲げはするが、腰を据えて何かを成し遂げようとする姿勢は全く感じられない。

 既に二年後を目途とした2%インフレターゲットによる日銀の異次元規制緩和策は効果のないまま目標年次の先延ばしをせざるを得なくなっている。その代り異次元金融緩和策による円安副作用たる消費者物価高騰が国民生活を直撃している。ますます経済成長の主力エンジンたる個人所得は減少させざるを得ない状況にあることが安倍自公政権の閣僚たちには見えないのだろうか。
「国民の生活が第一」の政治こそが経済成長の最善の処方箋だと、このブログで何度も指摘してきた。海外移転した生産設備などの国内回帰を促すUターン投資減税もせよ、と提言してきた。そうした雇用の安定と勤労者所得の増大以外に有効な経済成長のエンジンがあるとでもいうのだろうか。

 中国観光客の爆買などの経済効果をマスメディアは囃し立てているが、そんなものは局地的にして限定的だ。大の大人が狂喜乱舞して報道する類の話ではないだろう。
 読売新聞によると成長の目安を「名目3%」としているようだが、実質2%とはいかなることだろうか。それならインフレは1%しかないことになり、日銀の2%インフレターゲットの実現を安倍自公政権は見限ったということなのだろうか。「着実にデフレ経済から脱却している」と安倍氏は国会などの演説で何度も高らかに叫んでいるが、それも「福一原発の放射能汚染水は完全にブロックされコントロールされている」という演説と同レベルの大嘘だということなのだろうか。

 今国会は日本と日本国民の安全を脅かす「安保法制改正」で国民の目晦ましをやろうとしている。先の大戦で日本は心からの反省を行って、軍隊を海外へ出さない固い決意をしたではないか。それを米軍という戦後世界で一番戦争をしてきた軍隊と一緒になって世界を股に活躍しようとする法律を策定するという愚かな法案を安倍自公政権は閣議決定して国会に提出するという。
 自衛隊員が地球の裏側で他国兵士を殺害し、自衛隊員も日本周辺で国土防衛以外でバタバタと殺害される事態に陥ってから慌てても遅い。日本は先の大戦の真摯な反省から海外派兵しないことに決めた。憲法には武力の保持を禁止している。自衛隊だと強弁することで何とか憲法との整合性を保とうとしているが、今度の安保法制の改正はどんなに言い繕おうと憲法違反は明確だ。ついに安倍自公政権は国民生活の破壊だけに飽き足らず、戦争という国民そのものの大量殺害まで犯そうとしているようだ。


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