日本近代化への文化遺産が世界に紹介される。

<国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関「国際記念物遺跡会議」(イコモス)が「明治日本の産業革命遺産」について4日、勧告を出したことで、世界文化遺産登録へ向け大きく前進した。約10年前からシンポジウムを主催するなど事務局として登録を推進してきた鹿児島県や構成資産がある8県11市の関係者からは歓迎の声があがった>(以上「毎日新聞」引用)

 江戸末期から明治初期にかけて、日本は欧米が百数十年かけて行った中世から近代への進化を数十年で果たした。それは単なる産業革命だけではなく、社会のあり方から政治形態まで及ぶ社会思想や政治哲学の急激な近代化でもあった。
 それが日本で可能だったのは日本国民に旺盛な好奇心があったことと、好奇心を呼び起こす素地となる基礎学問が幅広くあったからだ。江戸時代の日本国民は武家のみならず町人百姓に到るまで成長期に藩校や寺子屋などで学び、世界でも有数の識字率を誇っていた。

 明治日本は「和魂洋才」の掛け声の下、急激な文化・産業の欧米化を果たした。富岡製糸場の建設が明治4年に始まっていることを考えてみれば容易に理解できるだろう。そして立候補者と有権者が一定の資格を有する男子に限られていたとはいえ、明治23年には帝国議会が開設されたことは驚嘆に値するだろう。
 そして特筆すべきは「文化遺産」を日本国民はキチンと残したことだ。近代的な溶鉱炉が建設されても韮山反射炉が遺され、吉田寅次郎が幕府により斬首刑に処せられた後も、長州藩は寅次郎の「松下村塾」を解体撤去しなかったことだ。そうした時代を築いた施設に敬意を払う「素養」が日本国民に備わっていたことも特筆すべきだろう。

 ただ日本近代化文化遺産が世界遺産に登録されることを喜ばない人たちがいるようだ。
��韓国の国会外交統一委員会は4日、日本の徴用施設のユネスコ世界文化遺産登録推進を糾弾する決議案を通過させた。
国会外交統一委員会はこの日午前に全体会議を開き、日本が徴用施設の世界遺産登録推進で侵略の歴史を産業革命に美化して苦痛の中で犠牲となった韓国国民を愚弄したとして、日本政府が真の反省と責任ある姿勢を促す内容の決議案を可決した。
決議案には、日本の今回の登録推進の試みを北東アジアの平和と安定に否定的影響を及ぼす外交的挑発行為と規定し、これに対して大韓民国国会が厳重に警告して国際社会に強力な糾弾の意志を表明するという内容も含まれた>(以上<>内「中央日報日本語版」より引用)

 先の大戦時に日本国民総動員令により半島の朝鮮人も日本国民として「徴用工」として徴用され、今回遺産指定される施設で「働かされた」たことに反発しているようだ。マスメディアも「朝鮮人強制労働」と報道しているが、何も朝鮮人だけを奴隷のように強制的に過酷な労働に従事させたわけではない。戦時下の総動員令により日本国民は少女まで「女子挺身隊」として徴用され、軍需工場などで働かされた。
 そうした先の大戦の戦時下という異常事態下であった出来事をいつまでも事ある毎に持ち出す韓国とはいかなる国だろうか。当時の韓国は半島の一部として日本に併合されて日本国民として暮らしていた。その日本国民が朝鮮人だから「徴用」は強制労働だ、と日韓条約で解決済みの過去を持ち出し平時の感覚で日本政府を糾弾し、世界遺産指定に反対する、というのは国家としての品格に欠けるのではないだろうか。

 そうした韓国の動きを伝えるテレビ報道番組に登場する勉強不足のコメンテータたちまでも「強制労働の記憶が呼び覚まされる」と解説する。なぜ「解決済みの問題をいつまでも持ち出すのでしょうか。未来指向の関係はなかなか築けませんね」と真実の解説をする勇気を持たないのだろうか。
 生半可な同情論は相手にとっても良くない。本当のことをしっかりとマスメディアは伝えるべきだ。そうしないと日本国民の中にも勘違いする者が現れないとも限らない。ともあれ、日本近代化が世界遺産に指定される動きであることは日本国民として誇らしく、心から歓迎すべきだ。


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