第三極と持て囃された「維新の会」のワンイッシューが否定された。

<橋下徹大阪市長(大阪維新の会代表)が掲げた「大阪都構想」の是非を問う住民投票が17日に行われ、1万741票差で反対が多数となった。都構想は廃案となり、大阪市は政令指定市として存続する。橋下氏は同日夜の記者会見で政界引退の意向を表明。安倍政権がめざす憲法改正への戦略も含め、今後の国政の動きに大きな影響を与えそうだ。当日有権者数は210万4076人で、投票率は66・83%だった>(以上「朝日新聞」引用)

 今から7年前、橋下氏は政界に「大阪都構想」を掲げてさっそうと登場した。複数のテレビ番組に登場しタレントとして名が売れていたこともあって、「維新の会」は民主党に次ぐ第三極と持て囃され瞬く間に政界の一勢力となった。
 大阪都構想という、中身は解り難いが受ける印象は斬新な一つの政策により大阪府と大阪市はここ数年引っ掻き回された。そして百数十万票の有効投票で僅かに1万票余の差で敗れるという大阪市消滅の瀬戸際まで行ったということは驚嘆に値する。

 その手法は安倍氏に酷似している。一度は首相を務めたものの一年ばかりで退陣にした政治家として賛否があるものの「右派」で高名なテレビ番組に登場したりして国民に「右派」政治家としての印象を与え続けた。
 そして「戦後レジュームの脱却」という中身はさっぱり解らないが、なんとなく周辺諸国から的外れな批判を浴びている「歴史」問題を是正してくれるのではないか、という期待を中道から右派の多くの国民に与えた。そして昨夏の「集団的自衛権」を閣議決定という「解釈改憲」を実行したことにより、「戦後レジューム」からの脱却は中道から右派の多くの国民から支持された。

 だが「戦後レジューム」からの脱却は「戦前への回帰」に他ならなかった。安倍氏は言葉の上で「歯止め」を掛けているように装っているものの、いつでもすべて「緊急」「危機」というキーワードを使えば「歯止め」はすべて無視して良い「括り」になっている。
 友軍が戦闘で危うくなっていれば地球の何処へでも駆けつけて「後方」(現代戦で後方は存在しない)支援できることになる。奇しくもISがイラクの拠点都市をすべて制圧したとの報道が流れた。空爆だけではISの侵攻を止めることはできず、米国は地上軍投入という多くの犠牲を伴う段階へ突き進むか否かの判断を迫られている。この夏までに「安保法制改正」が国会を通過すれば、手始めに自衛隊はイラクへ行ってISと戦火を交えることになるのだろうか。

 政界で安倍自公政権の暴走を誰も止められないどころか、マスメディアをはじめとする言論界にも安倍氏を諌める論陣は低調だ。それもこれも野党民主党が「消費増税10%」や「TPP参加」や「辺野古移設容認」を謳った似非・民主党の政治家たちによって牛耳られているからだ。かれらが民主党を牛耳っている限り、日本政界にマトモな野党は形成されない。それは安倍自公政権の暴走を許すことに他ならない。

 しかし自民党の補完勢力に過ぎなかった「維新の会」が大阪で敗れ去った。これは僥倖以外の何物でもない。これをターニングポイントとして、民主党も「消費増税10%」や「TPP参加」や「辺野古移設」を推進した連中を追い出して、小沢一郎氏たちマトモな野党政治家たちを迎え入れて、安倍自公政権に対抗すべく戦列を整えなければならない。もちろん、自民党議員かと見紛うほど米国防族にウケの良い長島氏なども民主党にふさわしくない政治家だろう。
 もう一度民主党は「国民の生活が第一」の2009年に回帰して、国民運動を開始すべきだ。自民党の周囲をウロチョロする政治をやっていてはダメだ。安倍自公政権の暴走を止めるには民主党の似非民主党議員の党内一掃も暴走しなければならない。多くの立憲主義を信奉する国民は民主党の復調を願っている。今日をその起点とすべきだ。


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