再生医療による人類貢献へ実証を急げ。

<さまざまな細胞や組織に変化する能力を持つ人の胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS細胞)に、マウスの受精卵と混じり合って変化、増殖する能力を持たせることに成功したと近畿大農学部の岡村大治講師(発生生物学)らが6日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
 傷ついた体の組織を人の多能性幹細胞で修復する治療法の研究が進む一方、臓器を人の体外で作るのは難しいとされる。新しい能力を持たせたことで、岡村講師は「移植用に人の臓器をブタで作らせる技術や、人の発生の仕組み解明に役立つ可能性がある」と話す>(以上「時事通信社」引用)

 ES細胞やIPS細胞は大きな可能性を秘めている。日々たゆまざる研究により障害者や深刻な病気に侵されている人たちへ一日も早く根本的な恢復がもたらされることを願う。
 臓器再生はまだまだ時間がかかるようだが、現在の研究のスピードからいけば神経細胞再生はそれほど時間がかからないように思われる。脊椎損傷により下半身麻痺に陥っている人たちにとって、ES細胞やIPS細胞の研究により自らの足で立てるようになる日が一日も早く訪れることを切望する。

 さらに臓器移植のドナーを待ち続けている深刻な臓器の病変により命の危機にある人たちを救う臓器再生が自らの細胞で出来るようになれば、たとえ幸運にもドナーから提供され移植手術が成功しても、術後の拒否反応に苦しむことは少ないだろう。
 昨年はSTAP細胞騒動があって、急速に再生医療が進むかのような朗報が研究課程の検証不足による誤発表だと判明し病気に悩む人たちに一度は灯った希望の明かりを砕くものだった。着実な研究と弛まざる検証によって二度とSTAP騒動を演じることなく、再生医療を現実のものにする日が一日も早く訪れることを心の底から願わずにはいられない。


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