米国との関係は「淡交」で行くべきだ。

<米国の防衛政策の一部を肩代わりして地球規模の連携を打ち出す代わりに、軍事面で台頭する中国を日米で牽制(けんせい)する狙いがある。
 安倍内閣は法案を14日に閣議決定、15日にも国会に提出する方針。11法案をまとめて「平和安全法制」と名付けた。自衛隊の海外派遣の恒久法「国際平和支援法案」と、武力攻撃事態法改正案など現行法の改正案10本を一括した「平和安全法制整備法案」からなる>(以上「朝日新聞」引用)

 日本は米国と同盟関係にあるが、それはかつては旧ソ連と対抗するためであり、現在では台頭著しい中国の脅威に対抗するためのものだ。そして米国は決して世界平和のために米軍を世界に展開しているのでもないし、世界警察を自認しているものの世界正義をうち立てているのでもない。
 米国は極めて自己都合的に世界で振る舞っているし、時には相手国の主権を侵害して勝手自儘な軍事作戦を行うこともある。そうした国の軍事作戦の一部とはいえ世界の何処へでも自衛隊を派遣して、米軍の肩代わりして作戦に従事するのを可能にする安保法制改正には賛成できない。

 たとえば「差し迫った脅威がある」場合には自衛隊を派遣できるとして、安倍自公政権はホルムズ海峡封鎖により石油輸送が途絶する事態を想定して説明している。しかし国民生活に差し迫った脅威は石油が途絶するだけではない。カロリーボースで40%に満たない食糧自給率の我が国にとって、小麦などの穀物の輸入途絶も国民生活に差し迫った脅威となるだろう。
 米国が「小麦の対日輸出禁止」を実施すれば、自衛隊は米国と戦争することになるのか。いや日米同盟を結んでいるから米国と敵対することはあり得ない、と想定するのは国際政治に疎いといわざるを得ない。日米安保条約はどちらか一方から条約終了宣言をすれば破棄されることになっている。いつでも日米同盟関係はどちらか一方の国の意思により終了出来る。

 米国はプラグマティズムの国だ。いつでも「役に立たない」と判断すれば切り捨てるのに躊躇しない。また反対に役に立つと判断すれば無原則に国交改善を平気で行う。キューバとの関係改善が格好の例だ。なぜ米国がキューバと国交断絶をしたのか、その際キューバは何を行ったかを知らない人たちは単純に「仲良きことは美しき哉」などと能天気なことを言っている。
 ロシアのプーチンは『戦勝70周年行事』の場で「日本の帝国主義」と日本を批判したが、彼らが日本に対して何を行ったか、プーチンは知らないのだろう。彼はその当時誕生してもいなかったが、旧ソ連は「日ソ不可侵条約」を一方的に破棄し、日本国民を終戦後に60万人もシベリアへ抑留し強制労働に従事させて12万人以上も死亡させた。そのことに対する真摯な反省の弁は一切なかった。何ともご都合主義の戦争大好きな老人だろうか。

 もちろん習近平も『戦勝70周年』だと噴飯ものの歴史認識を示しているが、中共政府が政権を樹立したのは戦後のことだ。先の大戦の終結に中国を代表していたのは国民党政府だった。その中共政府の習主席も70年前には生まれてもいなかった。何が『戦勝70周年』だ。傍迷惑な軍拡ゴッコを繰り広げて大きな顔をするガキのような国家指導者とは一体いつの時代の話だろうか。中国は秦の始皇帝時代のまま現代に存在しているかのようだ。
 一生かけても使い切れないほどの富を手に入れても、まだ富への執着を燃やし続けるのが人間の愚かさだ。世界の1%が世界の富の半分以上を手に入れても尚、強欲に世界の経済を軍事力を背景に恣に支配しようとする。まるで百鬼夜行の世界ではないか。

 日本はそうした世界の餓鬼どもとズブズブに交わってはならない。ある程度「間」をおいて、淡白な交流を旨とすべきだ。茶道裏千家の社団法人は「淡交会」と称している。淡交とは「荘子」山木の「君子の交りは淡きこと水の若( ごと)し」から》あっさりした交わり。君子の交際をいう。米国とは「淡交」を旨とすべきだ。
 安倍氏の米国との関わりはガキのズブズブベッタリの交わりに見えて仕方がない。安倍氏のいうアンシャンレジュームからの脱却とは米国への更なる隷属へ移行することなのだろうか。誇り高い独立国家日本の矜持を安倍氏は何処に捨ててしまったのだろうか。断じて安倍自公政権が目論む「軍事法制」の暴挙を許してはならない。それは未来の日本を滅ぼすモノに他ならないからだ。


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