所有権移転仮登記にも時効を設定してはどうだろうか。

 御存知ないかも知れないが、所有権移転の仮登記には時効がない。抵当権の設定には時効が存在するが、それよりも強制力がないとみなされる仮登記の方が実は時効がないだけ所有権移転を阻止するには強力な手段になっている。
 長年放置していた財産の処分を頼まれて登記簿謄本を取ってみると、二代も前から所有権移転されていないというのは田舎では珍しいことではない。そのため遺産分割協議書から作成しなければ放置された財産の処分は出来ないが、そこに仮登記があるとアウトだ。

 やっと国も重い腰を上げて放置家屋処分が強制的に出来るようにしたが、そのためには然るべき法整備がなければ実行不可能だ。すべての相続人の印を網羅しなければ遺産分割協議書は出来ないし、財産処分は出来ない。
 先々代の名義のまま放置されている土地や家屋はそろえるべき相続人は膨大な数に広がっている。遠くはハワイに移住した者まで出る始末だ。それらを一つ一つ追跡して印鑑(米国移住者などでは領事館の署名)が必要だ。

 それでも相続人には事情を説明すれば何とかなる。だが、出来れば登記簿に記載された名義人と係わりを絶って10年以上も経過した人は自動的に相続権を喪失する、などといった規定を設けて頂きたい。そうしなければ長年固定資産税を負担していた人や家屋や土地のメンテナンスをしてきた人と、見ず知らずの人たちと権利が同等というのは得心がいかない。
 さらに実行しないまま所有権移転の仮登記を設定したまま放置された権利が何年経っても時効が適用されないというのは更に得心がいかない。裁判を行って判決が出ても、10年間放置して判決を実施しなければ時効となって判決は効力を失う。しかし仮登記は永遠に時効を迎えない。誰もおかしいとは思わないのだろうか。

 もう一つ、殆どの雑木林の山は誰も相続しない。放置されて荒れ放題の竹林になっているのが散見されるが、登記簿上の所有者に話を持ち掛けても「利益を生まない山に手を掛けるつもりはない」とニベもない。所有権者が死去すればすべての相続人が相続放棄して国に寄付する、という考えの者が殆どだ。
 しかし国に寄付しても、国も何もしない。荒れ放題のままだ。近隣の居住者も迷惑千万だが、田舎では住民のすべてが後期高齢者というのも珍しくない。荒れ果てた雑木林に分け入って綺麗な山に使用にも体力がない。

 日本は自然環境のメンテナンスをしやすい仕組みにしなければならない。誰の持ち山でも荒れ果てた山は所有権を放棄したモノとみなして、誰が入って雑木林を伐採しても良いという制度を新設してはどうだろうか。
 そうすれば山を荒らす主犯の竹林は牡蠣や養殖の筏として利用する人はいる。筍も好き放題に取って良いということになれば竹が密生することもなくなるだろう。ただ利害調整役として役場が介在する必要があるだろうが。


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