トヨタはマツダの「ロータリーエンジン」が欲しいだけだろう。

 トヨタのエコカー戦略は行き詰っている。既にハイブリッド「アルファー」はカリフォルニアで「エコカー認定」を外された。バッテリーが劣化したアルファーは「ヘビー カローラ」だというのだ。重いだけのカローラに過ぎず、とてもエコカーではない。
 しかもリチウムイオン・バッテリーはノートPCのバッテリーと同じもので、出力5vのものを5000個も車の床に積載して使っているに過ぎない。ノートPCを使っている人ならご存知だが、当初はバッテリーで7時間稼動していたものも、ほんの数年で劣化して3時間程度しか動かなくなる。リチウムイオン・バッテリーは経年劣化の激しい欠点を持っているし、それを新品に積み替えるとなると新車購入ほども経費が掛かる代物だ。

 急遽売り出した燃料電池車ミライはいわば凝縮した化学プラントを積載しているのと何ら変わりなく、激しい振動と急激な温度変化にさらされる自動車への積載といった環境にどれほど耐えられるのか、これから公道で実験するという代物だ。しかも大量に使っているプラチナは高価な希少金属で、政情が未だに不安定な南ア連邦が最大産出国というアキレス腱を持ち合わせている。
 一台700万円もする自動車に政府が200万円もの補助金を出して500万円という価格で地方自治体にデモ車納入をしたが、水素スタンドが近所に完備されていない地方ばかりで、ミライは使用されないまま現代の「ミイラ」になるのではないかと危惧される。

 科学者の中には水素燃料は所詮エコではないと主張する人たちがいる。つまり水素は自然界で単体で存在しないもので、石油などのように掘れば出るというモノでないから石油やメタンから水素を分離するのにエネルギーを多量に消費するから石油を使う方がエコだという。
 私は水を電気分解すれば良い、と主張しているが、それに対しても水は最も水素が安定している状態だから投入した電気エネルギーに対して、手に出来る水素の量は微々たるものだという。しかし、それでもバッテリーを利用して昼間の太陽光発電の余剰電力を蓄えて夜間に使うよりは遥かに良い。

 なぜならバッテリーは必ず劣化するからだ。そして電気は自然放電するし、取り扱いは容易でない。水素のようにタンクに詰め込んで使うことのできないものだ。しかもバッタリーはいかなるタイプにせよ自然環境にとって優しくない。
 太陽光発電は今後とも再生エネとして日本は広く普及させるべきだ。その際、昼間の余剰太陽光電気で水を電気分解すれば効率の悪いバッテリーに蓄えるのよりも春から再生エネとして理に適っている。
 水素スタンドの普及は課題だが、太陽光発電による水素生成が全国に広がればそれぞれの地域で完結型の再生エネが自給自足できるようになるだろう。その効果たるや計り知れない。そして水素で動く唯一のエンジンがマツダのロータリーエンジンだ。燃料電池が高純度の水素を必要とするのに対して、ロータリーエンジンはそれほど純度の高い水素を必要としない。

 トヨタはマツダのロータリーエンジンに着眼していると見るが、それならミライを先行発売して全国に水素スタンドを設置する戦略も悪くないかと思う。それなら未来を見据えた戦略として評価せざるを得ないが。


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