70年前の敗戦国を不当に貶める根拠なき戦勝国意識こそ問題だ。

<安倍晋三首相が今夏に発表する戦後70年談話に関する有識者会議「21世紀構想懇談会」は22日、首相官邸で5回目の会合を開き、中国や韓国、東南アジア諸国との戦後和解をめぐり、意見交換した。会合後、西室泰三座長は記者団に、「いたずらに謝罪することを基調にするのではなく、これから先を考えて、未来志向を決して崩さない」と述べ、70年談話に謝罪の表現を盛り込む必要はないとの認識を示した>(以上「時事通信」引用)

 日本の首相に70年前の戦争に対して「謝罪」や「反省」を求め続けるのは中共政府と韓国だけだ。他の戦勝国も日本に基本的に「謝罪」の姿勢を表明するように期待しているようだ。
 しかし日本はこれまで国際社会に対して一切謝罪してこなかったわけではない。折々に触れて謝罪の意を表明して来たし、中国に対しては日中平和条約で先の戦争に関する清算を済まし、更に莫大な経済援助や円借款を行ってきた。韓国に対しても日韓基本条約を締結して半島に対して賠償金を支払って歴史的な清算を行い、更に経済援助を行ってきたのは周知の事実だ。

 むしろ他の欧米侵略国と比較して、戦後日本は過大な経済援助を中国と韓国に対しては実施してきたといわざるを得ない。それにより却って日本は非情な悪事を働いたのではないかという疑念を国際社会に植え付けてしまった。
 古来より「過ぎたるは及ばざるが如し」という。日本の過大な謝罪表明が中国と韓国に過大な経済援助が「正常なもの」だと勘違いさせ、さらに援助をしても当然だ、という認識を両国民に蔓延させてしまった。しかし対中国に対して欧米列強が働いた悪事の数々に対して欧米列強は一体どれほどの謝罪と賠償を実施たのだろうか。

 すべては「比較」の問題だ。賠償や謝罪に「国際相場」は存在しない。オランダは植民地として搾り取った過去は「当然の事」として、インドネシアが独立するに際しては「社会インフラの清算」を要求した。それに対してインドネシアはオランダの施しにより社会インフラが整ったと未来永劫言われるのを嫌って、オランダに植民地時代の社会インフラ整備費用を支払っている。
 それに対して、日本は朝鮮半島に対して莫大な日本国民の税を投じて併合時代の35年間に半島の近代化に寄与したが、そうした日本の善意に対して半島の人たちは清算は愚か、一切の謝意を述べていない。それどころではない、韓国は戦勝国だったと70真ん前の歴史を改竄して国民に教育し、反日感情を植え付け、あまつさえ韓国大統領は国際社会に根拠なき「従軍慰安婦」や「戦時動員令」に基づく労働徴用を国際社会に告げ口外交を展開している。恥ずべきことだという認識すらない病的なまでの反日姿勢に日本国民の多くが韓国に嫌悪感を抱いたとしても仕方ないだろう。

 歴史に対する評価は善悪いずれにしても「相対評価」をするしかない。なぜなら当時の常識と現代の常識は異なるからだ。たとえば1864年にリンカーンが宣言するまで米国には奴隷がいた。その数1000万人といわれている。それは批判されてしかるべきだが、奴隷はその後も世界各地の植民地に存在した。それは実に日本が敗戦した後も続いていた。アフリカには1960年代まで植民地があったから、つい最近まで奴隷がいたことになる。
 先の大戦で中国戦線で日本軍が中国兵士と民間人を1000万人前後殺害したといわれている。最近中共政府は3000万人とも4500万人とも数字を膨らませているが、そんなに殺害していては戦争にならない。それは虐殺というモノだ。

 実際に中共政府は大躍進と称した毛沢東の時代や文化大革命と呼んだ時代に数千万人の自国民を虐殺した。総数では一億人に達しているといわれている。中共政府は政府の残虐性を隠蔽するために、より一層残虐なモノを仕立て上げる必要がある。そうした「政策」上に反日政策と残虐日本のプロパガンダが捏造された。
 中国民に対して最も残虐な存在は中共政府だ。それを隠蔽する手段として残虐日本のプロパガンダが捏造された。その捏造された反日政策の責任を日本が取る必要はさらさらないし、謝罪する必要もない。

 先の大戦終戦まで、世界は帝国主義と植民地主義の全盛であって、人類は征服者と被抑圧者とに分類されていた。それが当時の常識だ。日本は欧米列強の征服者に対抗して富国強兵策を強力に推進した。それにより日本は有色人種として世界に稀な誇りある独立国だった。
 日本は先の敗戦までの日本の歴史を恥じる必要はない。当時の国際社会で誇りある歴史を貫く手段が他にあったとは思えない。先人たちは叡智を傾けて日本国民を守り抜いた。日本国民は先人たちを誇りに思うべきだ。

 しかし現代は当時と比較して、大きく舞台が転換している。世界に奴隷は存在しないし、欧米列強といえども武力で他国へ侵攻するのは許されない。それが現代の常識だ。先の大戦後に人類は人権意識と平等意識で大きく前進した。
 現代国際社会で軍隊を遠く他国・地域へ派遣して戦争を行うことは許されない。ただ米国だけが現代のカウボーイと時代錯誤に陥って二挺拳銃を腰にぶら下げて世界を睨み付けている。しかし、それは明らかに前時代の意匠だ。今日では通用しないし、通用させてはならない。その尻馬に乗って、日本も二挺拳銃を腰にカウボーイの真似を従っている幼稚な首相が出現して、良識ある日本国民はホトホト困っている。

 時代は時とともに変わるし、国際常識も時とともに変化する、ということを学ばなければならない。70年前の日本の敗戦を殊更取り上げるのは現代の常識では批判されるべき国内事実を隠蔽する必要があるからであって、日本は現代の常識に従って、当時の常識を謝罪する必要はない。それなら米国は先住民600万人虐殺や1000万人の奴隷や非戦闘員大虐殺の原爆投下を何度でも謝罪すべきだ。
 英国は大英帝国博物館のエジプトから持ち帰った展示品を返還すべきだし、スペインは破壊したインカ文明に対して繰り返し謝罪と反省の弁を述べなければならない。数え上げればキリがないほど欧米列強は全世界的に悪事を働いてきた。しかし、それが人類の歴史だ。いつまでも歴史を現代の常識で批判してはならない。それはいたずらに憎悪を心に植え付けるだけだ。


このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。