もっと「お節介を焼く社会」にしよう

 半分子供で半分大人の世代が凶暴な殺人に手を染める事件が目立っている。<千葉県船橋市の野口愛永(まなえ)さん(18)の遺体が同県芝山町で見つかった事件で、県警は27日、野口さんは窒息死とみられるとの司法解剖結果を明らかにした。遺体は深さ1.5メートル程度の地中から見つかっており、県警船橋東署捜査本部は生き埋めにされた可能性もあるとみている>(<>内「毎日新聞」引用)

 友人の18才少女を生き埋めにするという残酷さにただただ驚くばかりだ。事件にかかわった少年たちも20才とか16才という半分子供の世代だ。
 ただ殺害された少女は高校を中退して飲食店などに出入りしていたという。そこで散財して借金を作り、それが殺人事件になるイザコザの端緒だという。少女の周囲にいる大人たちは一体何をしていたのだろうか。そして少女に散財させた飲食店の大人たちは少女が18才の未成年だと承知の上で飲酒させたのだろうか。

 自分の18才の少女がなにをしようが関与しないというのは無責任の誹りを免れない。周囲の大人たちも青少年が何をしようと素知らぬ顔というので良いのだろうか。
 この国は一度ドロップアウトした者には大変冷たい。向上心を持って自ら努力しない者に社会が手を差し出すのは困難かも知れないが、大人になる段階で多少の躓きがあるのは大人なら誰もが理解できるはずだ。それなら躓いた青少年に手を差し伸べる社会を作らなければならない。

 手を差し伸べる段階は早い方が良い。不登校になったまま一週間以上も放置するのは学校をはじめ、社会が子育てに無関心すぎる。青少年の健全育成に国全体が関心を持って、躓いた者に大いに関心を持って手を差し伸べるべきではないだろうか。
 それは青少年だけではない。乳幼児の虐待による死亡事件が後を絶たないことから、児童相談所も機能を十分に発揮できていないと考えるしかないだろう。そのためには隣近所の大人たちが乳幼児の存在に関心を持ち、大いにお節介を焼く社会でなければならない。

 子供が生まれれば誰でも親になるが、親になる自覚が薄いまま子育てを強いられる未成熟な両親がいるのも事実だろう。彼らは大人になりきらないまま、子育てという24時間身の休まらない生活を過ごすことになるストレスに耐えられないのかも知れない。
 普通は気の抜けない子育てが親を作るのだが、我が子が育っていく喜びを感じられないとしたら、子育ては耐え難い苦労かも知れない。子供が出来れば生物的に親になるが、人として親になるのは真摯に子育てと向き合うことにより日々親になって行くのだ。

 大人も子供からいきなり大人になるのではない。年齢が20才を超えようが精神的に未成熟な子供はいくらでもいる。大人になるには様々な苦楽によって心身が鍛えられなければならない。その鍛錬の段階でドロップアウトした者は人生に躓いてしまったものだと見なされてしまう。
 一度や二度のドロップアウトは大したことではなく、一般社会に復帰できる仕組みはいくつもあるのだが、躓いた子供が自ら社会に復帰する扉を押して開けることは困難だ。誰かがお節介を焼かなければならない。ただドロップアウトした者が自由に行けるシェルターのようなものがあれば良い。そこで自分に最もよく合った社会復帰の方法を探すことが出来れば良い。少なくとも各家庭の自己責任だとして放置しては良くない。大人がやさしく躓いた子供たちにお節介を焼く社会にしなければならない。


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