放射能ーーこの目に見えぬ魔の手。

<東京都豊島区は23日、区立公園「池袋本町電車の見える公園」で、1時間あたり最大480マイクロシーベルトの放射線量を測定した、と発表した。福島第一原発事故で、国が避難の目安とするのは年間20ミリシーベルト。40時間余り居続けると達する計算になる。

 最大値が測定されたのは、二つの滑り台が組み合わさった遊具がある地表部分。ただ、そこから数メートル離れた滑り台の先端は0・07マイクロシーベルトに下がるという。地中に何らかの発生源がある可能性が高く、同区は遊具周辺をフェンスで囲み、公園への立ち入りを当面禁止した。

 同日の調査に立ち会った原子力規制庁は、「線量が高い範囲は狭く、長い時間立ち止まるような場所ではないため、普通に遊んでいる場合であれば人体に影響はない」としている>(以上「時事通信」引用)

 子供が遊ぶ公園でも、さらに幼児が好んで遊ぶ滑り台遊具の地表部分で1時間当たり最大で480マイクロシーベルトの放射線量を測定したというのは由々しき問題だ。指摘するまでもなく、放射線が人に影響を与える問題で幼児への影響は妊産婦と同じく老人に対する同量の及ぼす影響よりもはるかに危険だ。
 そうした場所が長年放置されてきたのはどうしてだろうか。福一原発の放射能漏れ事故以前からあったとしたら、その公園で遊ぶ機会の多い乳幼児が浴びた放射能は「危険ではない」などと悠長なコメントを発表できる程度を遙かに超えているだろう。

 この国のマスメディアはなぜ各地の放射能汚染度を定期的に発表しないのだろうか。福一原発の放射能漏れは収束したわけではなく、いまだにダダ漏れに漏れている。その多くの放射性物質は地下水に溶解しているとしても、何割かは確実に塵となって空気中に浮遊している。
 風向きによって広範囲に拡散することは福一原発の水蒸気爆発時の拡散により承知しているはずではないだろうか。その後、各地で除染したとはいえ、除染以後の放射能の塵が雨水等によって広範囲から一ヶ所に濃縮されている可能性は高いだろう。そうしたホットポイントの危険性をかつてマスメディアは報じたが、それ以降は問題がすべて去ったかのように沈黙している。

 塵となった放射能物質は臭いもしなければ色もついていない。それが海洋に流れ出して汚染している事実は何度もマスメディアが報じてきた。安倍氏は世界に向かって「汚染水は完全にブロックされコントロールされている」と大嘘を吐いたが、実際には原発施設に注ぎ込む地下水は遮蔽されてもいないしコントロールもされていない。
 福一原発から放射能はダダ漏れに漏れ続けている。それが海洋だけを汚染していると断言できるのだろうか。汚染水から水が蒸発すれば放射能塵だけが残って空気中に拡散するのは簡単な理屈だ。なぜ放射能汚染マップをこの国のマスメディアは定期的に報道しないのだろうか。区立公園「池袋本町電車の見える公園」の放射能物質は福一原発により拡散した放射能でない可能性が高いが、それならいつどこから運び込まれたのかを子細に調査して原因究明をすべきだ。

 国民の生命を守るべき政府・行政が国民の命を奪うことがあってはならない。戦争だけが国民の命を奪うのではなく、むしろ平時においては大量の国民の命を奪うのは原子炉事故の場合の可能性の方が遙かに高い。
 そうした大量の国民の命を危険にさらす原子炉と共存させるのは狂気の沙汰だ。発電装置の一つの選択肢に過ぎない原発を直ちにすべて廃炉とすべきことが選択できない安倍自公政権に、国民の命を守る固い覚悟があるとは到底思えない。放射能は臭いもなければ色もないが確実に命を危険にさらす魔の手だ。その魔の手が国民の身近に忍び寄っているかもしれない実態をマスメディアはなぜ報道しないのだろうか。


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