「中国」ーーこの傲慢国家。

<安倍首相が、来週予定しているインドネシア訪問にあわせ、中国の習近平国家主席との首脳会談を行う方向で調整していることがわかった。
安倍首相は、アジア・アフリカ会議の60周年記念首脳会議に出席するため、4月21日から3日間の日程で、インドネシアを訪問する予定で、政府関係者によると、同じく会議に出席する習近平主席と、22日に首脳会談を行う方向で調整している。
会談が実現すれば、2014年11月に中国の北京で行われた日中首脳会談以来、およそ5カ月ぶりとなる>(以上『FNN 』引用)

習主席はこれまで展開してきた反日政策から、中国民の目の前で安倍首相と会談するのは困難なためか、インドネシアで会談するという。中国本国内での会談でないだけに、習主席は本音で会談するものと思われる。
 中共政府は誰が贔屓目に見ても困難な正念場にある。それはすべての面で、だ。
 まず経済面ではシャドーバンクが全国で相次いで破綻しているし、庶民の投資先の不動産事業を展開していた大手不動産業者が破綻したり夜逃げしたりしている。そうした状況が中国の都市銀行や中央銀行に影響を与えないわけがない。それにより国内経済政策を指導してきた李首相と習主席との間に亀裂が生じているといわれている。

 習主席は国内統治でも困難に直面している。既に15人以上による暴動は全国で年間20万件以上も発生しているという。治安秩序の全面崩壊の一歩手前まで到っているようだ。
 それで国民の不満を逸らすべく反日ではなく、腐敗摘発に全力を注いでいる。軍部のナンバー2の徐氏を摘発したのは軍部全体に衝撃をもたらした。人民解放軍はそれぞれの軍区の国営企業を掌握し支配することにより巨額な利権を軍幹部は手にし、蓄財に励んできた。そこにメスが入るとすれば人民解放軍全体を揺るがす大問題だ。

 軍部だけに腐敗摘発の手が伸びているのではない。習主席は中国共産党幹部にも腐敗摘発を断行し、政敵を次々と逮捕している。それはタブーとされた党トップ7人衆に対しても行われ、周氏もすでに逮捕され、彼の側近や関係者たちも逮捕されている。
 しかし習主席が属す「太子党」も全ての幹部が蓄財を行っているのは周知の事実で、習主席の子供たちが米国でフェラーリを乗り回したりして優雅な暮らしをしているのを一部の中国民は既にネットなどで知っている。政治に対する不満を中共政府から逸らすために進めてきた反日政策から腐敗撲滅へと進めてきたが、それが巨大なブーメランとなって習政権を襲っている。

 習主席が主導しているAIIB設立は中国のGDPの6割を占める主力エンジン「投資」の減衰をインフラ投資により再び活性化させようとする狙いのようだが、日米が参加しなければ銀主のいない賭場を開帳するようなものだ。
 AIIBの実態はドルを拠出させて、AIIBの事業として「元」を主として中国内に注ぎ込むための集金機関に過ぎない。それが証拠に「一帯一路」という中華思想丸出しのAIIB投資戦略を提示している。中国による中国のためのAIIBだという馬脚は創立以前に現れている。

 しかし日米が参加しなければAIIBは創設時に資金の大部分を中国が拠出することになり、それでは「タコアシ」経営になりかねない。当初目論んだ旨味は何もなく、むしろ大挙参加する欧州諸国が「銀主面」をして、AIIBを梃子に中国利権に割り込みかねない。
 習主席の焦りは相当なものだろう。習主席の打つ手打つ手がすべて巨大なブーメランとなって中共政府に襲い掛かっている。東シナ海への軍事進出も日本の右翼政治家安倍政権に資するだけで、日本は安保法制の改正により大きく軍事国家へ舵を切ろうとしている。日本国民までも安倍政権の翼賛的な体制を過半数が支持しているという「翼賛国民」に変貌しつつある。それも習主席の目論みとは大きくかけ離れた結果だ。習主席が期待した護憲派が安倍政権の基盤を揺るがすような「反安倍」国民運動を起こす胎動すら感じられない。

 ここに来て習主席は安倍氏にAIIBへの参加と、安保法制改正の自粛を要請するしかないだろう。中国にとって日本が「普通の国」になることは脅威でしかない。カザフスタン石油利権をめぐってロシアとも対立している現在、日本までが「普通の国」に脱皮して世界第五位かそれ以上の軍事力を自由に発動できるようになれば、それは中国にとって恐れるべき脅威だ。
 中国の時限爆弾は金融バブルや不動産バブルだけではない。巨大に積み上がった「資材バブル」の値崩れによるバブル崩壊も政権基盤を揺るがしかねないものだ。既に粗鋼の赤錆びた製品の山は積み上がり過ぎて崩れる一歩手前だ。それを捌かすためにもAIIBによるインフラ投資を急がなければならないが、中国だけが銀主になりそうな現状では、既に中国にAIIBに拠出する「真水のドル」は中国の国庫にはない。あるのは「元」を印刷した担保証文だけだ。

 インドネシアで習主席はにこやかな笑顔を浮かべて握手の右手を安倍氏に差し出すだろう。そうするしか習主席の選択肢はない。それに対して安倍氏はにこやかな笑顔を浮かべて南シナ海を左手で指差すが良い。「あそこのサンゴ礁を埋め立てるのをやめてはどうだ」と言って、習主席が頷くまで、安倍氏は右手を差し出さないことだ。
 安倍氏にとってはタフネゴシエーターとしての資質が問われる会談でもあることを忘れないことだ。


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