読売新聞、この見事なまでの幇間ぶり。

 読売新聞の本日長官の社説に驚いた。2本のうち1本は「(与党安保協議)過剰な歯止めは実効性損なう」であり、あと一本は「(大学の国旗国歌)要請で自治が脅かされるのか」だ。与党安保協議で自民党は「原則として」自衛隊出動に国会承認が必要だ、としているのに対して、公明党が「例外なく」国会承認が必要だとしていることに触れたものだ。
 読売新聞は「緊急事態」に対して国会承認を求めていては現実的でないというのだ。確かに「緊急事態」に国会承認を求めていては国会開催手続きなどを踏んでいては間に合わないだろう。そうした緊急事態にどうすべきは課題だが、問題は国会承認なしで世界の何処へでもいつでも国連決議なしで出動できるようにしようとしていることにある。

 自衛隊の活動範囲を周辺事態に限定しているのなら、「原則として」国会承認を前提とする、で良いが、平和活動に限定しているとはいえ(平和のためでない戦争史古今東西なかった)、世界へ派遣する「自衛のための軍事力」をいかに弁述しようと憲法を逸脱したモノに他ならない。
 それを指摘しないで、読売新聞は論点を故意に「国会承認」という矮小化観点から安倍政権の暴走を助けようとしている。大局観を故意に失った議論に国民を引き込み、それで誤魔化そうとするのはまさしく「猫騙し」のアベノミクスと同じ手口だ。

 国立大学に国歌斉唱と国旗掲揚を求めるのは自治の侵害とは思わないが、それなら「独立行政法人」などというヘンテコリンな組織に改編する必要はなかった。国立大学のまま会計と人事を握っていれば良かったではないか。
 そうした大学運営という点は独自で「頑張れ」、しかし国家への帰属意識は頑健に持て、というのは如何なものであろうか。この国は大学という最高の教育・研究機関をどうしようとしているのだろうか。世界に並び立つモノに仕立て上げ、同時に各地域の文化と創造の原動力の役目を担わせているのではないか。箸の上げ下げにまで介入するような政治家の発言は、却ってこの国の品性を疑わさせる。

 それなら読売新聞は新聞社の車に国旗を翻させて走っているのだろうか。社屋に社旗と国旗を掲揚しているだろうか。「いや、読売新聞は国家機関ではないから必要ない」というのなら、大学も「独立行政法人」であるから国家そのものの機関ではない、ということにならないだろうか。
 大学自治とは異なる、組織のあり方の問題だということを読売新聞は勘違いしていないだろうか。論点のすり替えと誤魔化しが得意な日本のマスメディアとしてもあまりにお粗末ではないだろうか。


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