No title

 派遣社員や非正規労働者、パートやアルバイトの人たちも弁護士や開業医などと同じく国民年金加入者だ。厚労省が国民に理解しにくくするために「専門用語」を故意に用いて、「公的年金1号加入者」などと呼称している人たちは押し並べて高額所得者で、現役時代に老後の備えを潤沢な所得からしているので、国民年金が暮らせない金額しか支給していなくても問題はありません、というのが塩崎厚労大臣の国会答弁だ。
 それに対して質問した民主党の前原氏は「それでも生活困窮の人たちがいるのは現実だ」と食い下がったが、「国民年金とは潤沢な所得のある人たちが多く加入しているから問題ありません」と答弁されて納得したようだ。何というお粗末さだろうか。

 ここに平成22年度の厚労省の統計資料がある。それによると公的年金一人当たり平均年収は第1号(国民年金)は男性が205万円で女性が112万円だ。配偶者ありでみると男性324万円で女性126万円、配偶者なしでは男性123万円女性100万円だ。それに対して第2号被保険者(厚生年金)加入者は男性504万円で女性283万円だ。配偶者有の男性は583万円で女性は299万円だ。配偶者無では男性331万円で女性269万円だ。
 こうした数字を前原氏が質問する前に調査して知っていれば塩崎厚労大臣の答弁が全く荒唐無稽なのが解ったはずだ。即座に論破出来たはずだが、前原氏は「国民年金加入者は現役時代の潤沢な所得を老後に備えている人たちのため、暮らせない年金支給額でも問題ありません」などと木で鼻を括った答弁で満足していた。

 国民は怒るべきだ。公的年金の史料として出ているのは厚労省所轄年金が国民年金と厚生年金だからその二つだけを列挙すれば良いという態度だが、共済年金もあることを国民の目から隠したがるのはなぜだろうか。それは公務員がこっそりと享受している潤沢な所得と高額年金がバレルからだ。
 なぜ日本の国会で作った格差を是正しようとしないのだろうか。議事録の残る予算委員会で大嘘を平気で述べ立てる厚労大臣にも驚くが、それを論破しようと資料すら調べて来ない前原氏にも驚く。国会議員たちのいい加減さにより、この国の社会保障は格差拡大のまま温存される。そして国民年金加入者はまじめに満額納付しても暮らせない年金額しか手に出来ない。それを放置し続ける政治は「国民の生活が第一」の政治だといえるのだろうか。

 現役時代の格差を老後にも持ち込む現行年金制度は早急に一元化し、すべての老人は等しい額の年金を受給するように改正すべきだ。社会保障の大原則は「負担は応能で、支給は一律」だ。その大原則に一日も早く立ち返るべきだ。


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