同盟国にも「是は是、非は非」と発言すべきだ。

 常に歪な感情を抱かされる。三月十日の東京大空襲や広島・長崎の原爆碑に対してだ。
 なぜか大量虐殺された日本国民が悪いかのような錯覚に陥らされるが、明確に非戦闘員殺害を禁じたジュネーブ条約に違反したのは米国だ。日本の家屋が木と紙で出来ていることから効率的に都市を破壊する『焼夷弾』を開発し、編隊で飛来したB29から雨霰と投下して3月10日の東京大空襲だけで10万人を虐殺した。戦争に勝敗はつきもので、日本は不幸にして敗れたが、戦争が外交の最終手段である限り、戦争の是非は勝敗とは関係なく別物だ。ただ勝者が戦後史を書くものだから、なんとなく日本が悪者に擬せられているだけだ。

 先の戦争の是非に関しては様々な議論があるだろう。しかし勝者や敗者の立場を超えて、純粋に学問としての歴史から先の大戦の是非が問える時代が来たなら、米国は大いに恥をかくことになるだろう。
 未来の世界で、米国が日本に採った外交戦略と黄色人種蔑視政策は大いに非難されることになるだろう。そして大量破壊・非人道的な都市部への爆撃と原爆投下は常軌を逸した戦争の狂気が米国政府を狂わせた所産だと結論されるだろう。だが、それまで日本国民はおとなしく「殺されたあなた方は犬死でした」と慰霊碑に頭を垂れて自虐史観に陥るだけなのだろうか。

 日本が米国を正しく批判して来なかったから、米国は勘違いして先の大戦以後も世界各地で戦争を勝手に起こして来た。ただ勝ちさえすればその地の国民は自虐史観に陥り、米国に対してテロを働くことはない、と日本国民を基準にして考えてきた節がある。しかし、それは大いなる勘違いだった。
 戦争で勝つのは一時的な勝利に過ぎない。永遠に勝者でいることは不可能だ。曲げたバネから手を離せば、バネは元の位置に戻ろうとする。同時に押し曲げていた者の意図を明確に知り、その意図を砕くべく反作用を働く。それが通常の国民性の有り方だ。ストイックにして美徳にあふれた日本の国民性は世界の奇跡に近いことを米国はGHQ当時に誤って学習したのだろう。

 今からでも遅くない。米国がやった都市爆撃などは市民の大量虐殺に過ぎず、それは非戦闘員の虐殺を禁じたジュネーブ条約に反していたと、日本政府は米国を告発すべきだ。そうした筋を通さなかったことから、原爆碑にも摩訶不思議に主語のない「繰り返しません」などという文言が刻まれてしまったのだ。
 決して繰り返してはならないのは米国の都市破壊攻撃だ。市民大量虐殺は何度でも非難されるべき愚行だ。いかに戦争終結を急いだからにせよ、それならなぜもっと早い時期に日本政府と和議の話し合いをしようとしなかったのだ。そうしたチャンネルは常にあったではないか。

 歴史に嘘をついてもだめだ。真実は必ず露見する。世界平和を破壊しているのは奇しくも「国連安保理常任理事国」の連中だ。この厚顔無恥な連中が寡占的に支配する「国連」なるモノが世界平和を語るに相応しい場なのだろうか。日本は恒久的な世界平和を希求するに足る資格を有する平和国家として、常任理事国以外の国々に新しい世界平和実現への国際機関の設立を呼び掛けるべきだ。


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