誇り高き技術立国日本の面目は何処へ行った。

 福一原発の原子炉建屋屋上の雨水の排水路が管理外のトレンチから直接外洋に繋がっていて、高濃度放射能汚染水が外洋へ排出されていたという。初歩的な見落としというしかないが、こうした「初歩的」な事態はいつになったに解消されるのだろうか。
 日本は全国各地の石油コンビナートなどの建設・運用などにより、高いプラント設計・建設技術を蓄積していた。当然プラント運用に関しても長年の蓄積から安全面には格段の実績を誇っている。そうした技術が全くといって良いほど福一原発放射能漏れ事故対応に生かされていないと見えるが、なぜだろうか。

 地下水が原子炉建屋に流れ込むのを防ぐために「凍土方式」という急場凌ぎの方式を選択したのもうなずけないし、汚染水貯蔵タンクの設置と運用に関してこれまであった「初歩的」なミスによる汚染水流出などや、巨費を投じたALPS放射性物質分離プラントの相次ぐ不具合など、これが世界に冠たる技術立国・日本の現実なのかと愕然とする。
 汚染水との戦いは今後数十年どころか、数百年もかかると思わなければならない。凍土方式の遮蔽壁を数百年も運用するつもりだったのだろうか。なぜシールドマシンでトンネルを縦に無数に幾重にも掘って、そこに耐水コンクリートを流し込むという確立した技術を最初から選択しなかったのだろうか。そうして地下水の遮蔽壁を造り上げれば百年以上は持つだろう。

 放射能汚染水を異物混入の原油とみなして、徹底して異物取り除きの技術を駆使し、本格的に清浄化するプラントを福一原発構内に建設すべきだ。現行の俄か造りの施設でいったい向こう何年対応するつもりだろうか。
 未だに原子炉建屋にすら近づけないでいる現状で、溶解した核燃料の取り出しなど出来る相談ではない。溶解した核燃料は核反応を続けていて、おそらく断続的に臨界に達しているのではないかと思われる。だから新核種が測定されているのだ。原子力規制(推進)委員会はなぜ国民に放射能汚染マップを定期的に告知しないのだろうか。そうした放射能汚染を承知の上で汚染地域で暮らし続けるのも国民の選択だし、汚染の比較的少ない地域へ移住するのも国民の意思に任せるべきだ。全く知らせないで「除染が済んだから戻るように」というのでは誰も国や福島県を信用しないだろう。

 東京は果たして安全なのか。汚染されているとしたらどの程度の汚染で、直ちに健康に害は出ないとしてもどれぐらいで害が出るのか、国民は知る権利がある。そしてマスメディアには国民に広報する義務がある。そのための報道の自由だ。国と一緒になって治世者に不都合な事実を隠蔽するために報道する者が自由を履き違えてはならない。


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