新規開発研究に政府は手厚い支援を。

<九大大学院理学研究院の広津崇亮助教(神経科学)と伊万里有田共立病院(佐賀県)の園田英人外科部長のグループによると、線虫は水中などに生息する微小な動物で、嗅覚が犬並みに優れている。がん患者と健常者の尿(1マイクロリットル)をそれぞれプレートの端に置き、中央に置いた100匹の線虫の動きを調べたところ、7~8割の線虫ががん患者の尿に集まり、健常者の尿からは逆に離れることから、がんのにおいに反応することが判明した。
 精度を確かめるため、242人(健常者218人、がん患者24人)の尿を採取してテストを実施。線虫はがん患者24人のうち23人に「陽性」の反応を示し、発見確率は95・8%だった。うち5人は採尿時点では、がんと診断されていなかった。初期の「ステージ0と1」のがんは、血液の成分を調べる腫瘍マーカーの発見確率が0~33%にとどまるが、線虫による検査では88%以上の確率で発見できたという。
 一方、健常者をがんと誤って判定する確率が5%あることなどから、精度の安定化が今後の課題という。広津助教は「早期発見が難しい膵臓(すいぞう)がんを含む十数種類のがんに線虫は反応した。特定のがんにだけ反応する線虫をつくることにも成功しており、将来的にはがんの種類の特定も可能になる」と話している>(以上「西日本新聞」引用)

 政府は外国からの直接投資を呼び込むために地方空港へのプライベートジェットなどの乗り入れが簡単にできるようにするという。それにより現在年間1兆3000億円の海外からの直接投資を増大させて、成長戦略の柱にするという。
 これもTPP参加後のハゲ鷹投機家による「非関税障壁」認定によるISD条項発動の可能性をを取り除く手立ての一環かと思われる。海外直接投資を増大させるくらいなら、海外投資した日本企業の国内回帰を促進する方が国民の雇用環境からすると遥かに寄与すると思われる。しかし政府の視線の先に国民の姿はないようだ。

 九州大学の研究グループでは癌マーカーに線虫を利用する画期的な方法を発見したという。被検査者の尿が一滴あれば良いというから、現行の血液採取による癌マーカーよりも手軽に出来て被検査者に痛みも何もない。
 線虫を癌マーカーに利用するという発想は幅広い研究があればこそ生まれるものだろう。嗅覚が犬並みに良いというのなら各種毒の検出にも役立つだろう。一つの研究が飛んでもなく化けることがある、目先の研究成果に釣られることなく、地道な研究に政府は支出を渋ってはならない。その反面、利用していない復興予算が9兆円あったり、復興予算で復興に関係があるとは思えない個所へ流用したりと、予算を緩めるととことん付け込むのが官僚たちの嫌らしさだ。

 奇しくも昨日は東日本大震災津波被害から四周年だった。早くも四年たったが、復興の足音はまだまだ遠いようだ。その四年間にも永田町や霞が関の『復興関係省庁』の政治家たちや官僚たちは給与を頂戴して生きてきた。しかし避難した被害者たちのうちまだ故郷へ帰還出来ていない人たちが23万人もいるという。彼らはいかにして収入を得て生きてきたのだろうか。他人事ながら心配になる。

 この国は被災者たちに優しい国なのだろうか。それとも官僚たちや公務員たちだけが手厚く優しい政策に包まれているのだろうか。線虫を癌マーカーに利用する大発見はおそらくノーベル賞の対象にならないだろうが、癌の早期発見には多大な役割を果たすに違いない。国民は一見役に立ちそうもない線虫を目指そうではないか。


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