AIIBに日本は参加しないのか。

 中国が提唱するアジア開発投資銀行(AIIB)に日本は参加しないのだろうか。資金規模を500億ドルとし、本部を北京ないし香港に置くとしている。日本と米国が主導しているアジア開発銀行と激しく対立するのではないかと思われていたが、AIIBはインフラ投資を主導し、各国を連携する道路や鉄道、さらには社会インフラなどの投資を主導する、とアジア開発銀行と必ずしも同じ役割で業績を競うものではないとしている。

 さっそく利に敏い欧州各国は参加表明し、アジアへのインフラ投資事業に触手を動かしている。インドも参加表明し、韓国もその気になっているようだ。日本はまだ正式に断ってはいないものの、米国がAIIB設立に激怒しているとの情報から参加に躊躇しているようだ。
 純粋に利で諾否をするなら日本も参加すべきだ。中国経済を巨大化させた責任の一端は日本にもある。その巨大化した中国経済を使ってアジアを席巻しようとするのはかつて日本がアジア開発銀行を使って経済的にアジアに君臨していたのと同じ軌跡ではないだろうか。ただ、日本はアジア開発銀行の総裁を独占してきたとはいえ財務官僚のアガリ席という責任感の伴わない人材を派遣し続けてきた。現在の日銀黒田総裁もアジア開発銀行の総裁だった。

 戦略なきアジア開発銀行を日米が弄んでいるうちに、経済的に巨大化した中国が独自の経済圏を構築しようと試みるのは当然だ。中国のアフリカにおける資源開発投資と同じ動きをするなら、設立してもAIIBはたちまち世界から孤立するだろう。少しは「躾け」を身に着けたと願うしかない。
 中国が過半数を占めない程度の資金を拠出するが、日本が参加する場合は応分の資金拠出を求めるだろうから百数十億ドルを用意しなければならないだろう。それだけの資金を出して見合うだけの利があるかといえば、アジアのインフラ整備への投資が主戦場ならば十分にあるといわざるを得ない。日本のインフラ技術はアジア圏では傑出しているし、実は中国も国内整備のために日本のインフラ技術をコピーしたくて仕方ないのだ。だから中国は決して日本をAIIBから排除しようとはしないだろう。

 中国は自国の巨大化した経済力を最大限利用としている。日本もかつてアジアに「円経済圏」を構築しようとして米国の逆鱗に触れたことがあった。宮沢内閣当時の話だ。半独立国として、日本が米国の意のままになったのは言うまでもない。
 しかし今回は中国が「元」経済圏をアジアから世界へ広げようとしている。その目論みは良く解る。しかし中国経済はそれほど順調なのだろうか。いわば中国は自らが世界へ呼びかける最後のチャンスと見なしているのではないだろうか。既に地方の理財商品は紙屑になりつつあるし、地方の投資銀行は次々とデフォルトしている。金融破綻は都市銀行にも及びつつある。その流れは誰にも止められない。

 日本もAIIB参加を表明すべきだ。そして中国が躓いたら、日本が中国の立場に立つと良い。人材は世界に散らばっている優秀な中国人を集めることだ。そして「自由の風」をAIIBから中国本土へ送れば中共政府は瓦解するだろう。

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