TPP参加に反対する。

 TPPに関して日米二ヶ国協議が妥結に向けて静かに進んでいるようだ。<日米両政府は今月2日からワシントンで事務レベルの協議を開き、牛肉や豚肉など農産物5項目の関税の取り扱いを巡る議論を行うことにしています。
このうち豚肉については、日本は価格の安い肉にかけている1キロ当たり最大482円の関税を、10年以上かけて最終的に50円前後まで引き下げる方向で調整しています。
一方、輸入が急増した場合に一時的に関税を引き上げるセーフガードについて、日本は国内の生産者への影響を最小限に抑える条件を模索してきました>(<>内「NHKネットニュース」引用)

 豚肉に次いでコメまでも大幅に関税を引き下げることになると日本の生産農家は壊滅的な打撃を受けるとみられる。安倍政権や無責任な評論家たちは「日本のコメは品質と安全性で世界に通用する」と篤農家を煽てているが、日本の農家のすべてが篤農家ではない。
 農業従事者の平均年齢が67才となり、中山間地の農家は老人だらけで、細々と圃場を必死になって守っているに過ぎない。篤農家になろうにも資金もなければ体力もないというのが現実だ。

 安倍自公政権はTPP参加に向けて最大の反対勢力になっている農協を個別バラバラにして撃破すべく全農による全国単協支配態勢を潰そうと躍起になっている。元々自民党が集票マシーンとして全国組織を形成し育成してきた組織だが、集票マシーンとして威力が無くなりTPP反対戦力の牙城となったため全農の全国単協支配体制を潰すべく躍起になっている。
 確かに単協を指導する「経営指導」権限を持ちつつ、単協の「監査権」まで持つのは好ましくない。指導と監査は権能を分けるべきだというのは組織論の常識だ。「指導」は全農が行うにしても、「監査」は監査法人に任せるべきではないだろうか。

 しかし本質的な議論がやっと始まったことに歓迎すべきかもしれない。なぜなら官僚組織は執行も人事権も監査権もすべて官僚が行っている。執行は本来なら政治家が目を光らせて官僚をして執行させる建前だが、実際は政治家がおざなりに大臣席を温め、予算編成も執行も決算もすべて官僚が行っている。
 そして人事は各省庁の官僚が行い大臣は追認するだけだ。報酬なども人官僚の事院が定め、総理大臣が嘴でも挟もうものなら「法律違反だ」と人事院総裁が喚く始末だ。監査は勿論官僚の会計検査院が行い、官僚の官僚による官僚のための国家体制が出来上がっている。安倍氏が「岩盤を砕く規制改革」を標榜するのなら官僚組織という岩盤こそ爆破し改革すべきだ。

 TPPは食糧安全保障に反する。食の自国による確保は食料を完全に貿易品目とみなすことと矛盾する。確かに国際相場と異常に乖離した食料品価格は是正すべきだが、野放図な輸入への歯止めなどフッ飛ぶ仕掛けの施されたTPPへの参加は危険だ。
 たとえば消費税を導入した際に欧州諸国並みに税率20%前後まで上げられるのではないか、という疑問が国民にあった。当時の竹下総理は「3%より上げることは考えられない」と国会で答弁したが、当時は陣笠だった現在の自民党大幹部の面々はシレッとして「15%まで上げるべきだ」とほざく。TPP参加後のセーフティーガードなぞ特別条項の前でどれほどの安全弁になると思っているのだろうか。

 国内の食糧自給にこそ政府は目指すべきだ。米国の過剰生産された牛肉や豚肉の処分所に日本をすべきではない。そして食糧を米国に依存したなら、日本はいよいよ米国の桎梏に手足を完全に嵌められたことになる。それは独立国家として危険だ。
 米国ポチ政権の安倍自公政権はTPP妥結に向けて前のめりだが、国民は静かに条件や協議事項を検証する必要がある。そして国内牛肉や豚肉などの生産コストを引き下げるべく農政全体の再設計を急ぐべきだ。


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