「イスラム国」幹部はフセインの軍の生き残り将兵達だという。

「イスラム国」の幹部たちはフセインの軍隊の将兵達の生き残りだという。彼らの目的はシリアからイラクのみならず、ヨルダンからサウジアラビアに到る巨大な国家建設だそうだ。
 米国が主導して起こしたイラク進攻が今日の事態を招いた元だといえる。捕えた独裁者フセインを傀儡政権が処刑したが、それでイラク的問題が解決したわけではなかった。

 恐怖による支配と人権侵害は国家単位で存在するし、地域単位でも存在する。表立ってはなくなったとはいえ、日本でもつい最近まで特殊な地域はヤクザの支配する特殊サービス業が警察黙認で行われているし、未だに銃弾飛び交いドンパチやっている地域は存在する。
 米国ではもっと深刻だ。小型のフセインは全米各地に勢力を誇り支配地域に警察権が及ばない地域も普通に存在している。その国家単位版が現在の北朝鮮であり、フセインのイラクだった。

 しかし、それでも国家である限り勝手に侵攻して内政干渉すべきでないというのが現代の常識だ。しかし米国は勝手な米国流の民主主義や人権を梃にして、それに従わない国家支配者を恣意的に排除してきた。それがイラクなどの国民のためだという幻想を友好国に刷り込んで、勝手にパンドラの箱の蓋を開けてしまった。
 その結果、有象無象の欲望の鬼たちが野に放たれた。フセインの軍隊の将官たちが再結集したのが「イスラム国」だ。当然のように、かつて自分たちが支配していたイラクを奪おうとする。クルドの石油井戸を奪おうとするのも当たり前といえば当たり前だ。

��政府が過激組織「イスラム国」によって殺害されたとみられる後藤健二さんに対し、昨年9~10月に3回にわたってシリアへの渡航を見合わせるよう直接要請していたことが2日分かった。関係者によると、外務省職員が昨年9月下旬と同10月上旬に電話で、同月中旬には面会して渡航中止を求めたが、翻意させるには至らなかったという>(<>内「時事通信」引用)
 後藤某が「イスラム国」へ向かったのは捕えられた友人救出のためだったという。いわば一人特殊部隊として潜入したのだ。それを「自己責任」と呼ばずして一体なんだろうか。もちろん人の命を取引材料として相手を支配しようとするテロ行為は是認されないが、後藤某の無謀な行為も批判されてしかるべきだ。

 近日中に米国で対テロの国際会議を行うという。それに日本の外相も国会日程が許す限り出席すると表明している。
「テロ反対」という普遍的真理を掲げて特定の勢力を攻撃するのはフェアでない。イスラム教徒対キリスト教徒という対立構造に、原油利権が絡まって米国にとって邪魔者のイラクのフセインを排除した米国主導の「多国籍軍」の再結集を米国は狙っているようだ。
 しかし、日本はその戦列に並んではならない。「有志空爆」の有志たちとはキリスト教徒であり、中東の原油利権に深く関わっているかつての宗主国たちだ。日本はその範疇にない、中東の民にとって非戦闘的な友好アジア人だという認識だ。それを覆してまで米国の「有志空爆」の一員に参加するのを日本国民は望んでいるだろうか。

 海外から「イスラム国」に参加する若者たちは勿論参加阻止しなければならない。中東の問題は基本的に中東の民が解決すべきだ。野次馬的に「戦場ジャーナリスト」たちが右往左往すべき地ではない。
 しいて参与すべきとするなら、それは国連の仕事だ。米国の正義の保安官が出張る必要もなければ、かつての宗主国が「利権よ再び」と有志連合を結成して空爆すべきでもない。それは基本的に主権国家シリアの問題であり、イラクの問題だ。
 安倍氏はヨルダンに「防衛武官」を駐在させるという。このバカを一日も早く対陣させなければ、日本と日本国民が中東の戦争の坩堝に放り込まれてしまいかねない。そうした危険な瀬戸際に安倍氏は日本を導いている。


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