熟年世代は「終活」を始めよ。

 ここ一月余りの間に老人独居世帯の何軒かの「終活」の場面に立ち会った。年末から寒波が何度も日本列島を襲って、衰えた老人の命を縮めたのも確かだろう。
 子供たちが都会へ進学や就職して行き、地方は老人だらけになっている。自然と老人世帯や独居老人が増えてくる。そうすると孤独死は当然のように増えて、余り珍しくなくなっている。どうやら老人の孤独死は地方の専売特許ではなく、都会でも早期に出来た団地や分譲地は老人だらけになり、老人の孤独死は問題になっているようだ。

 孤独死を遂げた親の後始末に来た子供たち(子供たちといってもいい年をした大人だが)は茫然自失して、何も手がつかないのか家屋敷を放置したまま帰って行く。それでは隣近所が迷惑をするばかりだ。
 人が棲まなくなって十年も経つと白アリの巣になり、二十年と経たずして棟が落ちる。後は早送りする映像でも見ているように家は跡形なく蔦や雑木林の中に埋没する。隣近所は押し寄せる雑草の大群はもとより、そこで発生する虫や蚊に悩まされることになる。散乱する家財道具や本類なども始末に悪い。

 カネはあるようでないものだが、家財道具や衣類などはないようであるものだ。それほど大きくない家でも、中のモノを処分するには2トントラックで数台分の品々を処分しなければならない。そうしなければ家屋の解体は出来ない。
 家屋の解体も業者に頼めばすぐに数百万円かかる。しかしそうしなければ台風などの際に隣近所に迷惑をかけることになる。子供たちに資力があるか、あるいは廃屋の跡地が高額で取引される地なら問題はないが、子供たちの消息も知れず廃屋の跡地も大した値もしない地方なら、荒れるに任せたまま放置されることになる。

 これから年間200万人を超える老人が死ぬ時代を迎える。今でも中山間地を車で走れば棟の崩れた廃屋が目につくが、様々な電気製品や趣味道具に囲まれた生活を送っている老人たちは「終活」をどのように考えているのだろうか。
 雑草に埋もれた廃屋の庭先に枯れた盆栽が並んでいるのを見ると感慨も一入だ。全ては一炊の夢として消え去って行く人生。せめては死後に人様に御迷惑を掛けないようにしたいものだ。


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