福一原発の危機的状況は何も変わっていない。

<東京電力は22日、福島第1原発構内にある雨水などを海に流す排水路から、高濃度放射性物質を含む汚染水が港湾内に流出したと発表した。流出した汚染水には、ストロンチウム90などのベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり3000ベクレル含まれていた。東電は排水路をせき止めるなどの対応をとったうえで、「港湾内には流出したが、外の海への流出はない」としている。汚染水を貯蔵するタンクからの漏えいは確認されておらず、東電が汚染水の量や出所を調査している>(以上「毎日新聞」引用)

 まだこんな状態なのか、といった諦観すら抱く。福一原発の放射能汚染が未だに周辺環境へ拡散している現状に対してだ。
 その反対に、福島を中心とする放射能汚染の現状が全く私たちの耳目に届かなくなっている。この国のマスメディアは一体誰のためにあるのだろうか。

 NHKに到っては福島県で開かれる各種イベントに関して積極的に広報している節さえある。そこがどれほど放射能汚染の粉塵塗れの土地かをなぜ国民に報せないのだろうか。報せた上で開催されるイベント紹介なら、参加者は放射能核粉塵を肺胞深く吸い込むことを覚悟の上でイベントに参加することになる。
 しかしそうした広報もなくイベントの状況を報道するのは、放射能汚染がすべて「除染」により消え去ったかのような誤った情報を伝える恐れがある。

 上記の毎日新聞の報道にしてもそうだ。当局は「湾内に汚染水が流れ込んだが、外界には流れ出さないとしている」と、当局発表だけを報じて、湾内に流れ出した汚染水が外界へ流れ出さないと伝えるだけで止めているのだろうか。湾内の海水と湾外の海水が完全に遮蔽されているのなら「外界へ流れ出すことがない」いえるが、干満の差によって潮位が変化する限り「流れ出さない」ことはありえない。そうした簡明なことをなぜコメントとして付け加えて報道しないのだろうか。
 それとも、そうした「常識」を伝えることすらこの国のマスメディアは当局によって規制されているのだろうか。国民の知る権利に対して、この国のマスメディアは報道機関として「使命」を果たしていると胸が張れるのだろうか。

 そしてそもそも土木技術やプラント設置技術で世界のトップクラスにある日本で、これほど平易な汚染水管理が出来ないのか不思議でならない。一体どこが汚染水処理の司令塔として福一原発構内土木・プラント工事を仕切っているのだろうか。
 世界に冠たるゼネコンがやっていてその程度なのだろうかと恐れいる。全国の大学工学部の土木科の教授たちは沈黙したままだが、事故後3年近くたつというのに彼らは学究の徒としてお粗末極まりない福一原発の放射能汚染水処理に関して一本も論文を発表していないのだろうか。

 安倍自公政権は中東の難民対策として2億ドルを日本国民の対テロ標的に仕立ててでも支援するが、国内で発生している数十万人の避難民に対しては殆ど「効果的な支援」をしていない。日々放射能被爆している乳幼児や児童生徒や若者たちを放射能汚染地域から疎開させることの方が先決ではないだろうか。
 国民の「命を守る」と勇ましくがなり立てるが、自衛隊員も国民だ。彼らを地球の裏側へでも派遣して「後方」のない戦場で後方支援させる、というデマを国民は信じるとでも思っているのだろうか。そうした戦争大好きな米国のポチをいい加減やめて、海外の危機を煽る前にまずは福一原発の放射能汚染水を完全にブロックし、コントロールできてからにしてはどうだろうか。国内の危機こそが国民にとって喫緊の大問題であることを国民は報らされていない。それは「汚染水は湾内に止まり外洋に流れ出していない」とする上記『毎日新聞』の記事にも明らかだ。


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