人命は重いが、決してテロを許してはならない。

<過激派「イスラム国」とみられるグループに拘束された後藤健二さん(47)とみられる男性が、湯川遥菜さん(42)は既に殺害されたとの声明を読み上げる画像が24日午後11時過ぎ、インターネット上に掲載された。発信元はイスラム国関係者とみられる。後藤さんとみられる男性は、首を切断されたように見える別の男性の写真を掲げていた。菅義偉官房長官は緊急会見し「許し難い暴挙」と強い口調で非難。画像の信ぴょう性の分析に追われた>(以上「スポニチ」引用)

 湯川某は殺害された模様だが、残る後藤某の釈放条件として「イスラム国」は金銭要求からヨルダンに捕えられている自爆テロ犯で死刑判決を受けている女性の解放に切り替えた。
 もちろんヨルダンとしては軽々に後藤某との交換条件と名指しされた自爆テロ犯の女性を解放するとは思えない。自爆テロの拡大を防ぐためにも、自爆テロ犯人には然るべき法の下で罪を償わせる必要があるからだ。一方で後藤某は何処のいかなる法をも犯してはいない。ただ「イスラム国」に囚われたということだけが後藤某の犯した過ちだ。

 しかし後藤某は「イスラム国」がそうした無法を働く暴力集団という認識の下で、敢えて「自己責任」のビデオを残してシリアへ入国した。もちろん正規な「入国手続き」を行って入国したわけではない。
 そうした無法下で行われている行為を正式な法治国家の尺度で測ることはできない。しかしだからといって米国流の超法規的な特殊部隊による救出劇という選択肢が日本政府にないことも承知している。最後の手段として「イスラム国」の交換条件通りにヨルダンに囚われている自爆テロ犯として囚われた死刑囚の女性を解放することだが、それがヨルダン政府の呑める条件なのだろうか。

「イスラム国」の提示した交換条件が呑めるかは日常的に自爆テロの脅威にさらされているヨルダンの国民世論がどのような反応を見せるかにかかっている。日本政府の選択肢ではない。
 ヨルダン政府がヨルダンの平和と安定のために女性死刑囚の開放を後藤某との交換条件として認めるのはかなり困難だと思われる。「イスラム国」の要求は非常識そのものだが、非常識な状況にシリアが陥っていることを承知の上で後藤某はシリアへ行った。その責任は全面的に後藤某にある。

 果たして後藤某に「イスラム国」と隣接する緊張に満ちた日常生活を強いられている国々に対して飛んでもない愚挙に及んだという自覚があるのだろうか。生命の危機にさらされている後藤某の身の上には同情の念を禁じ得ないが、無鉄砲な行為に対してはそれ相当の重い結果がもたらされることも当然のことだ。イスラム教をも穢すテロリスト集団の「イスラム国」に対して強い怒りを覚えるが、少なくとも後藤某もジャーナリストの一人なら、彼自身が記事のなることは不名誉だという強い認識があって欲しかった。


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