すべての伝染病に対する統合的な研究機関の設置を。

 昨年世界を震撼させたエボラ出血熱の伝染拡大は収束の方向のようだ。一方で渡り鳥が媒介するとされている「鳥インフルエンザ」が宮崎県や山口県、それに岡山県と発生したが、鳥から人への伝染報告は今のところなく、各県の懸命な防疫対策により点で封じ込めている。
 しかし世界的な伝染病は日本で余り知られていないものも多数存在する。エボラと同じ症状を呈するアルゼンチン出血熱もあるし、ネズミが媒介するものやカニクイザルが媒介する伝染病などもある。そうした各種伝染病に対しては初期段階で封じ込めることが何よりも重要で、外国航路の伸展に伴って航空機で移動する人数が飛躍的に増加し、伝染疾病流行地域から移動してくる人も増加すると思われる。

 そうした世界的な伝染病に対して人の移動だけではなく、各種動物に関しても強力な伝染病の報告のあったモノに対しては厳重な防疫対策が必要だ。それに対して動物の輸入などに関しては農水省の所轄になっているが、人に伝染すると確認されているもの以外でも動物から人へ感染する前に防疫すべきで、病気の動物が入ってきた場合は症状などを速やかに掌握する機関が必要だ。
 そして、国家として全国の大学病院などと連携した伝染病研究機関を一ヶ所に集約して、すべての情報を共有する体制づくりが望まれる。ことに鳥インフルや豚インフルはウィルスの突然変異により対・人感染が始まるとパンデミックを起こすと予想される。そうなってからでは遅いため、日本政府は早急に取り組むべきだ。

 現在、各都道府県の地域ごとに核となる病院を指定しているが、それぞれの核となる病院に強力な伝染病に対する高レベルな隔離病棟や防疫体制が万全とはいえない核病院も存在する。医師、看護師の研修もさることながら、感染病に罹患した患者の隔離移送体制なども万全を期すべく厚労省は全国の防疫体制を再検討すべきではないだろうか。
 そして政府は指定する感染病に対しては国民の移動や地域封鎖などの強力な行政執行権を法整備しておく必要がある。安倍自公政権は武力行使を主体とした「集団的自衛権」に血道を上げているが、感染病に対する国民の安全性確保は「集団的自衛権」以上に必要だ。

 さらに言及するなら、全国各地の動物園など、多くの動物を集約的に飼育する施設に関しては飼育する動物の疾病知識の習得・指導や、動物が罹患する病気やそれぞれの病変などについて詳細に報告させるよう義務付けておく必要を感じる。大勢の人が訪れて柵越しに観覧したり、最近の傾向として「ふれあい体験」をした場合、空気感染や接触感染しないとも限らない。
 ウィルスは刻々と変化し動物に感染することによって生き残ってきた。現在は動物の感染症だと思っている伝染病がいつ突然変化して人に感染する伝染病になるかわからない。そうなってから慌てないために、国として動物の伝染病も含めた国際的な伝染病と病変などのデータを集約して研究する機関の設置は必要だ。


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