読売新聞よ、日本を米国の弾除けに使う気か。

 読売新聞朝刊の社説に驚いた。「秩序維持へ国際協調が急務だ」という大見出しがあって、その隣に「米国の指導力低下をどう補うか」という小見出しが並んでいる。
 世界の警察を辞任していた米国の国力が盛大だった当時、世界は果たして平和だっただろうか。現実はその反対で、米国が何やかやと口実を作っては戦争を仕掛けていたでのはなかったか。

 米国の力が相対的に衰退して、中国が覇権主義を振りかざして東・南シナ海に進出している。日本にとって不安定要素はまさしく中国の領土拡張主義と、それ裏打ちとなる覇権主義国家としての有り様だ。
 しかしオバマ大統領の米国は中国を「儲かる」投機先とみなして、対中国・協調路線をとったために、中共政府に「米国組易し」との印象を与えてしまった。それが米国の対中国政策の誤りのすべてだ。

 だが、米国にとって適当に中国がジャイアンと化して近隣諸国と軋轢を生じて暴れた方が都合が良い。そうすれば米国製の兵器が売れるし、米国を頼りとする国々に対して米国の支配力が自然と維持できるからだ。
 なぜ核開発する北朝鮮をイラクのように急襲しなかったのか。それは日本を米国のポチにしておくために、北朝鮮の核も有効だと考えたからに他ならない。米国の国益が必ずしも日本の安全保障に合致しないことは当たり前といえば当たり前だ。

 そうした国家関係の有り様を無視して「米国の指導力低下をどう補うか」とは何事だ。読売新聞は一体いつから日本が米国の弾除けとなって世界で戦うことを望むようになったのだ。
 米国の指導力低下を日本が補うなどとは飛んでもないことだ。断じてキリスト教徒対イスラム教徒の戦争に日本は関わってはならないし、米国の指導力低下を補うなどという恐ろしいことも考えてはならない。

 米国が世界各地で仕出かしてきた戦争の後始末は米国が付けるべきだ。日本が代役となってしゃしゃり出ることがあってはならない。
 日本は全国200都市も焼夷弾という市民焼き殺し爆弾を雨霰と降り注がれ、とどめに原爆を二発も投下されて無辜の市民を大虐殺されても、戦後70年間米国を批判したことも、米国民に憎しみの報復虐殺を仕掛けることもしなかった。しかし、世界の常識はそうではない。『目には目を、歯には歯を』というのが世界の常識だ。そうした怨嗟の連鎖が十字軍以来、千年以上も続いていることを忘れてはならない。

 日本は国際協調もさることながら、国内産業基盤の再構築を急ぐべきだ。株価が上がることが手柄だと思い込んでいる安倍氏は投機家心理にとらわれ過ぎている。投機家は嫌悪すべき博打打に過ぎず、相手にすべきは「殖産興業」に意を注ぐ日本国内の経営者や資本家たちだ。
 国内産業の高効率化を促進すればいかに人件費が相対的に高くても国際的な競争力は保てる。奇しくもトヨタの社長がそうした発言をした。「海外工場建設よりも、国内に工場を建設する。日本の人件費が三倍なら、労働生産性が三倍の工場を作れば良い」と発言した事を奇貨とすべきだ。

 団塊の世代がすべてが65才を超えて、定年退職する年を迎えた。技術の継承は各企業で確実に行われているだろうか。海外移転した工場の生産ラインが「改善」により進化することはまず考えられない。日本国民だからこそ勤勉さと叡智で高度経済成長を成し遂げたのだ。
「国際協調」と称して外へ目を向けるのも結構だが、国内産業基盤の再構築こそ急務ではないだろうか。円安の今こそ、日本国内の企業は投資をUターンさせて、国内に生産効率の良い工場を新築すべきだ。そして日本国民の若者を大量に「正社員」として雇用し、労使が手を携えて再び日本が発展する元年とすべきだ。


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