御岳山水蒸気爆発の特番を視て。

 年末に各局テレビ局で一年を振り返る特番をやっている。その中で気になったことがあったので「日々雑感」に記しておく。
 御岳山の水蒸気爆発では頂上付近の山小屋のスタッフたちは山の異変に気づいていたという。爆発の二ヶ月ばかり前から地震が頻発し、爆発前日には硫黄臭が一段と強く臭ったという。

 そうした異変を噴火の前兆だと受け止められなかったのだろうか。たとえ山小屋のスタッフや小屋主が異変を察知したとしても、それを何処に伝えれば良いのか、そうした情報収集網が徹底されていなかったのが何よりも悔やまれる。
 なぜならわずか三十余年前に御岳山は噴火している。いわば活火山中でも要マークの火山だった。しかし山頂付近への地震計の設置はおろか、連絡協議会すらもなかった。火山爆発に備える非難するシェルターの設置どころの話、以前の問題だ。

 しかしそれでも、火口直近で暮らしている山小屋のスタッフたちには山の異変を行政なりに伝えるべきだった。そうすれば入山者に対して「爆発の危険あり」と予備知識を与えることが出来て、実際の爆発に際して心構えが大きく異なっていたと思われる。
 何よりも残念なのは、爆発している御岳山の噴煙を多くの登山者たちがデジカメなどに残していることだ。なぜ一瞬を惜しんで風下や岩陰に逃げ込まなかったのだろうか。彼らはそれほど深刻な噴火だとは思っていなかった節がある。いわばショーのアトラクションの一部だと勘違いしていた趣すら感じられる。そうした撮影で現地に留まった一瞬が生と死を別った。

 山小屋のスタッフや小屋主がテレビに登場して「過酷な」噴火を述べていたが、彼らに「なぜ自分は気付いたヤマの異変を山岳救助なり警察に伝えなかったのか」という悔恨は見られなかった。
 繰り返すが、御岳山はほんの三十余年前に噴火している。64億年の地球の年齢に比すなら、三十余年前はつい先刻のことだ。御岳山は爆発しているヤマだという認識を持っておくべきだった。山小屋のスタッフや小屋主の感じた異変が行政当局と共有されていたなら、五十人以上の死者は出ていなかっただろう。


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