Uターン投資減税を。空洞化した産業を日本に取り戻せ。

 円安のプラス効果が現れないまま、輸入原材料の高騰というマイナスばかりが国民生活を直撃している。なぜなのか、理由は簡単だ。円高が続いた時期に、日本から生産拠点を海外へ各種企業が移転させたからだ。
 それにより円高当時に為替変動に関わりなく安定した価格で海外へ販売できたが、円安局面に入ると円安を輸出に利用できないマイナス効果が顕在化している。本来なら円安で輸出産業は価格競争で有利になり輸出が拡大するはずだった。しかし生産拠点を海外へ移しているため円安効果を享受することはできない。そればかりか、海外で生産した製品を国内で販売していた「安売り」産業はそうしたモデルが成り立たなくなっている。

 本来なら円高局面で安易に生産現場を海外へ移転させることなく、国内で合理化と省力化に真剣に取り組んでいれば、今回の円安局面は企業実績の拡大と最大利益を手にする絶好のチャンスであったはずだ。しかし短期的で安易な企業戦略で海外へ生産拠点を移転させたため、今回の円安を企業業績に生かすことが出来なかった。
 それだけではない。生産現場を海外へ移転させたため、これまでは研究部門と生産現場が知恵を出し合って切磋琢磨して強靭な開発体制を堅持して企業発展の要因だったカイゼンができなくなっている。生産現場は単なる生産現場でしかなくなり、日本人的な愛社精神や企業への忠誠心なき生産現場になっている。

 当然のように、企業が生産現場を海外へ移転させれば国内の雇用の場が失われる。中国だけで3万社が進出していたため、国内で失われた雇用は数百万人分に上るといわれている。そのために企業は短期的に企業利益を上げたかもしれないが、現在に到って中国的な拘束を受けて撤退が困難になっている。
 生産機械を持ち帰ってはいけないとか、労働者に契約になかった退職金を支払わなければ経営者の出国を認めない、などという法外な要求を突き付けられている。決して許されることではないが、中共政府は素知らぬ顔をしているし、法治国家の番人たる司法当局まで中国民に同調して不当な要求を日本企業と経営者に押し付けている。中共政府の中国は上から下まで無法を働く国だ。

 しかし日本国内の産業基盤の再確立を考えるなら日本政府はUターン投資減税を大胆に行うべきだ。空洞化した産業を日本に取り戻し、日本国民を正社員として雇用し、安定した職場を国民に提供させるべきだ。
「恒産なくして恒心なし」。国内に埋もれて顧みられない労働力、ニートや引きこもりの人たちを社会に参加させて希望に満ちた明日を与えられれば、60万人を超える労働力が生かされることになる。トヨタ自動車が今後は国内に生産工場を造ると明言した。日本の労働力が海外の三倍なら、新規工場で三倍の労働生産性を実現すれば問題ない、との見解を示した。まさしくその通りだ。合理化により労働対価が同じになったなら、労働力の質は圧倒的に日本国民の方が良いし、社会的な安定は言うに及ばない。Uターン投資減税と金融支援策を併用すれば国内金融機関も本来の融資機関として復活するだろうし、企業もUターン投資減税策を歓迎するに違いない。


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