福一原発に関してマスメディアは継続監視し報道する義務がある。

 一般国民が立ち入ることも直接放射能測定することもできない汚染水などに関して、マスメディアは実態がどうなっているのか監視し継続して報道する義務がある。<東京電力は、福島第一原発で汚染された地下水が海に流出している対策として、護岸沿いに「遮水壁」と呼ばれる鉄製の壁を作り、地下水をせき止めてくみ上げるとともに、原発の建屋の周囲にある「サブドレン」と呼ばれる井戸からも地下水をくみ上げ、浄化して海に排水する計画で、11日、浄化した地下水を海に流す排水管などの建設を原子力規制委員会に申請しました>(以上『NHK』による)という報道が出て来たが、それがどの段階の汚染水なのか、一般国民にはなかなか理解できないだろう。

 福一原発放射能漏洩事故が起きるまで、この国のマスメディアの一社として原発事故の可能性を言及して放射能漏洩事故が起きた場合の被害の甚大さを国民に広報してこなかった。すべてがすべて原発は発電コストが安くCO2を出さないクリーンな発電装置だと宣伝してきた。それに加担して芸人や俳優たちもCMに登場して国民に原発への抵抗感を払拭していた。
 しかしそれにより原発から放射能がなくなったわけではない。核燃料を使用している限り、原発は身近にある核爆弾だ。核爆弾が瞬時に核分裂を行うのに対して、原発は制御棒で暴走する中性子を吸収する手法によるコントロール下で緩慢に核分裂させているに過ぎない。

 地上の核分裂を制御しつつ熱を細管の中の水により取り出すのはまさしくローテクだ。水素の化学反応により電気を発生させる燃料電池のハイテクと比較すると、そのローテクぶりは歴然としている。一体いつまで原発などという危険極まりない発電装置を動かそうと企めば気が済むのだろうか。
 そしてこの国のマスメディアは日本国民に対してのみならず、すべての世界人類に対して『福一原発』の現状を監視し報道する義務がある。安倍首相が「完全にブロックしコントロールしている」と発言したが、それが真実なのか、それとも事実に反しているのか。

 おざなりの装置としか見えない「ALPS」は依然として停止したままだし、汚染水一時貯水タンクは中古品の使い回しが混じっていたことや、系統的な配置やバブル管理などが石油プラント設置による長年蓄積してきた技術が全く生かされていないことなどが判明している。
 そして地下水遮蔽壁として効果が不透明な『凍土方式』を採用して、これ以後数十年以上も使用するはずだが、一向に『凍土』壁が出来ないという。つまり地下水はブロックされていないのだ。従ってダダ漏れの汚染水もコントロールされていない。汚染水タンクを永遠に増設するのは無理だから、今度はその汚染地下水を海岸線に沿って遮蔽壁を作って汲み上げ、放射能を除去して海へ放水する、というのだ。弥縫策もここに極まれり、というところだ。

 なぜ福一原発をブ厚いコンクリート壁で覆い、構内の放射線量を軽減させようとしないのだろうか。少なくとも、作業員が働く構内の放射能除染は確実に行うべきだろう。それとも作業員は消耗品でいくらでも代替要員がいるとでもいうのだろうか。まったく人権無視の懲りない面々が放射能汚染対策をハンドリングしているとしか思えない。
 そしてこの国のマスメディアはかつて原発推進に加担してきた責任を取るべきだ。その取り方として、詳細に福一原発を監視し継続して報道することだ。福一原発放射能漏れ事故は収束どころか日々拡散している。身近にある原発事故を忘れて再稼働に言及する馬鹿な評論家や政治家たちに報道を突きつけるのがマスメディアのせめてもの責任ではないだろうか。


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